ジョーダンは、カードゲームで負けても大変な事になる

NBA1991-92シーズン。2連覇を狙うシカゴ・ブルズはイースタン・カンファレンスで、ニューヨーク・ニックスやクリーブランド・キャバリアーズといった強豪を退け、2年連続のNBAファイナル進出を果たした。

一方、ウエスタン・カンファレンスを勝ち上がってきたのはポートランド・トレイルブレイザーズ。ジョーダンに匹敵すると言われるクライド・ドレクスラーを中心にしたチームだ。

しかし、蓋を開けてみるとブルズが強さを見せつけ、4勝2敗という成績で見事2連覇を果たす。特にジョーダンが大活躍した第1戦は『The Shrug Game』として語り継がれている。

ESPN/YouTube

Shrug(シュラッグ)とは肩をすくめること。アメリカンコメディなどでイメージが強い、「なんてこった!」というようなジェスチャーである。ジョーダンは、この試合の前半だけでなんと6本の3Pシュートを決めた。82試合のシーズン中の3P成功率はわずか27%と、決して3Pが得意ではなかったジョーダンがそれだけ決めたため、本人も「なんてこった!」とただただ驚くように肩をすくめたことからこんな名前が付いた。

そして、この試合には裏話がある。この有名なジョーダンのShrugは、実は前日にカードゲームで負けたマジック・ジョンソンに向けられたものだったそうだ。

マジックが「この試合の前日にマイク(ジョーダン)の家で、ぼくと彼のお父さんとの3人でカードゲームをしたんだ。ぼくたちはマイクをボコボコにしたよ。圧倒的な勝利だ。そして、時間も遅かったから言ったんだ。『マイク、俺は帰るよ。君はもう我が家にいるからいいだろうけど、明日は君のゲームを解説しなきゃならないんだ』ってね。でも彼は帰してくれなかった。彼は負けず嫌いだからね、負けっぱなしで終わらせないんだ」と振り返る。

結局、その後も夜が更けるまでカードゲームで遊んだらしい。そして翌日、試合が始まりジョーダンの大活躍が始まった。「彼が4本か5本連続でシュートを決めたとき、解説しているぼくの方に目を向けた。そしてあの“Shrug”だ。あの日の彼はすごかった。彼がドレクスラーをボコボコにした原因は、あの夜のせいかもしれないね(笑)」とマジックは笑顔で語る。

ドレクスラーからしてみれば何とも迷惑な話だが、カードゲームのせいで“ヤル気”になってしまうとは、負けず嫌いのジョーダンらしいエピソードである。

TAGS