「エミネムの真似」「ジェイ・Zの下位互換」 知性派ラッパーの面白ビーフ合戦

かつて共にポッドキャスト番組を主催したりと盟友だったはずのLupe Fiasco(ルーペ・フィアスコ)とRoyceRoyce da 5’9(ロイス・ダ・ファイブ・ナイン)が、7月21日からラップでディスの応酬をしている。

Royce Feva-Nina/YouTube

両人ともにインテリ派のラップ・エリートだけあって、バイオレンスな内容というより、豊富なボキャブラリーにモノを言わせる、ウィットに富んだラップなのが面白い。

まず火蓋を切ったのはロイスだった。「Silence of the Lamda」でルーペを“ジェイ・Z下位互換”となじり、「お前の大好きな、くだらねえラップ・ビーフ以上に俺のことを好いてくれるなんて、そもそも期待してないぜ/そもそもお前は黒人同胞への愛情より、白人に対する憧れの方が強いもんな」複雑なシラブル(音節)で構成されたラップを畳み掛けた。

しかしロイスの公開からたったの2時間後、今度はルーペがアンサーラップ「STEVE JOBS: SLR 3 1/2」をリリース、見事な反射神経とウィットでディスを返してみせたのだ。

「俺ら二人ともメガネかけてる/俺はクールなことだと思って学校のクラスに通ったけど、お前はサボっただけ/お前のトラック聴けば、王道すらお勉強してこなかったのがわかるぜ/俺は最初っから出来たからな、だから大衆にも届いたのさ」

このようにルーペはメガネ(glasses)と授業(classes)と王道ラップ(classics)、大衆(masses)で韻を踏みながら、思わず吹いてしまいそうなユーモアと皮肉が混じったラップを展開。これ自体は単純なライミングだが、幅広い言葉のチョイスで埋め尽くされたラップは緩急をもたらしている。

さらに後半、ロイスの仲間であるエミネムを「あのニ○ー」と暗に登場させ「お前のペンにはギミックめいた指紋がついてるぜ/お前のダチの、あのニ○ーとの愛情と親密さがにじみ出てら/俺がはっきり言うまでもないよな/でも無理もねえ、俺だって奴はフェイバリットの一人だからな」と言い放つ。“ロイスはエミネムの真似っこ”と揶揄しつつ、“エミネムは認める”という絶妙なラインになっているのだ。

EminemMusic/YouTube

さて、ルーペがラップしているように、ポッドキャスト時代からどうもウマが合わなくなっていたらしい二人。はっきりとしたきっかけはわからないが、とにかくゴングが鳴り、互いに一撃ずつ放って第1R目終了、といったところか。まだビーフが続く気配は満点なので、これからどんなハイセンス・ディスが飛び出すのか、期待しながら観戦しよう。

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