曲の冒頭、高い中毒性… 『TENET テネット』主題歌の裏側

クリストファー・ノーラン作品史上最も難解と言われながら、世界的に大ヒットを記録した最新作『TENET テネット』。<時間のルール>からの脱出をテーマに、主人公が時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、人類を滅亡から救うミッションに挑むタイムサスペンス超大作だ。本作で音楽を手掛けたルドウィグ・ゴランソンと主題歌を担当したラッパーのトラヴィス・スコットが対談する動画が、ワーナー・ブラザース・ピクチャーズのYouTubeチャンネルで公開されている。

Warner Bros. Pictures/YouTube

スウェーデン出身のルドウィグ・ゴランソンは、映画『ブラックパンサー』(2018年)、『ヴェノム』(2018年)、ドラマシリーズ『マンダロリアン』(2019年〜)などの音楽を手掛けてきた音楽家。また、音楽プロデューサーとしても活躍しており、チャイルディッシュ・ガンビーノ、ハイム、チャンス・ザ・ラッパーなどの楽曲を手掛けている。

そして、本作のエンドロールで流れるのが、トラヴィス・スコットによる主題歌「The Plan」だ。トラヴィスは初めて映画音楽の作詞に挑戦し、作品を鑑賞した上でリリックを描き下ろした。インダストリアルなサウンドに乗るトラヴィスのラップが極めて中毒性の高い楽曲になっている。なお、この楽曲は主人公が消防車に乗り込むシーンで使用された「Trucks In Place」という曲を元に制作されているという。

ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

リモートで対談を行ったルドウィグとトラヴィスは、映画『TENET テネット』の音楽制作プロジェクトのはじまりを振り返っている。最初にルドウィグたちが5分ほどの冒頭シーンの映像を送ったところ、すぐに夢中になったトラヴィスから「全編送ってくれない? いますぐ全部観る必要がある」と連絡があったという。その後にトラヴィスはスタジオに出向いて編集作業中の作品をいち早く観たらしく、ルドウィグやクリストファー・ノーラン監督ともアイデアを交換しながら音楽制作を進めたようだ。

トラヴィスは主題歌「The Plan」を作詞する上で、作品における映像表現、俳優、感情、カメラワーク、そして鳴り響くサウンドといったあらゆる要素からインスピレーションを受けたと語っている。たとえば、曲の冒頭ではトラヴィスのボーカルがまるで楽器のように響いているが、これは劇中で登場人物たちが時間軸を逆行する時に酸素マスクを着用するのをイメージしているようだ。

トラヴィスは映画音楽とアルバム制作のための作詞の違いについても語っている。アルバムのための音楽制作は、彼自身の人生経験に基づき、その瞬間の感情を体現しようとするため、アルバム作品全体が“人生の物語”のように感じるという。映画音楽になると、自分の役割や計画、どういう感情なのか……などと多面的に考えるため、それまでとは異なる制作のかたちになったと振り返っている。

2人は『TENET テネット』の世界観を表現する音楽を共に作り上げられたことを喜び、近いうちにまた一緒に仕事できることを願いながら、今回の対談を締めくくった。

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