復讐、絶望、地獄の乱れ撃ち… 韓国映画 暴力・オブ・暴力BEST6

『新感染 ファイナル・エクスプレス』でゾンビを素手で倒し、マーベル・シネマティック・ユニバース『エターナルズ(原題)』で世界進出を決めた韓国を代表する名優 マ・ドンソクが主演を務める映画『悪人伝』が大ヒット中だ。“人間サンドバック”を殴り続けるというトラウマ必至のシーンも話題だが、凄惨な暴力といえば韓国映画の十八番だ。『悪人伝』に負けない是非押さえて欲しい韓国映画<暴力・オブ・暴力編>をJASON RODMANが選出した。

『オールド・ボーイ』(2003年)

2004年カンヌ国際映画祭グランプリを受賞し、韓国映画ブームを巻き起こしたパク・チャヌク監督の“復讐三部作”の一つ。衝撃の映像と、痛すぎる暴力描写、そして人間の残酷さを見事なまでに描き切り、後味の悪さと言ったら右に出るもののない、観た人の心をえぐりまくる作品だ。
平凡な毎日を送っていた主人公はある日いきなり拉致される。なんで自分が拉致されたのか理由は一切わからないまま小さな監禁部屋に15年たったある日解放されたデスは、自分が何故こんな目にあったのかを探りながら誰かもわからぬ犯人に復讐を誓うのだが……。犯人の想像を絶する“理由”に震撼すること間違いなし。主演のチェ・ミンシク、ユ・ジテ、カン・へジョンの演技も必見だ。

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『アジョシ』(2010年)

2010年度の韓国興行収入1位を記録、日本でも大ヒットしたウォンビン主演の復讐モノ。
心に闇を抱え、ひっそりと質屋を営むテシク。そんなテシクを「アジョシ(おじさん)」と慕う近所の幼い少女ソミ。ある日ソミが犯罪組織に誘拐されたことをきっかけに、ソミを救うため決死の追跡と反撃を仕掛けるテシクだが……。
ちなみにウォンビンは“韓国四天王”の一人と位置づけられるほどの人気だったが、実は映画出演は5作しかない。本作はその貴重な一作にして、今のところウォンビン最後の映画出演作。暴力描写も満載だが最後は涙が待ち受ける韓国映画の名作オブ名作である。

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『チェイサー』(2008年)

この映画で見せる圧倒的な演技力にハ・ジョンウのファンになった人は少なくないだろう。残虐極まりないシリアルキラー役なのだが、演技がリアルすぎて本当にサイコパスにしか見えない。ハ・ジョンウにとってもその後のキャリアでターニングポイントとなる作品となった。
デリヘル嬢を束ねる元刑事ジュンホ。自分が抱えるデリヘル嬢が次々に失踪する中、街では連続猟奇殺人事件が発生し……。タイトル通り走りまくるシーンも多いが、たたみ込むようなハイスピードの展開と思わず目を背けてしまう凄惨な暴力描写、そして韓国映画史上間違いなく1、2を争う後味の悪さに、見終わった後の疲労感&脱力感たるや凄まじい。ちなみにこの映画、フィクションではなく韓国で実際に起きたソウル20人連続殺人事件が元になっている。
レオナルド・ディカプリオがハリウッドでの映画化権をとったという報道も一時されたが、その後続報は聞こえてこない。リメイクされるにせよ、ナ・ホンジン監督の長編デビュー作にして異常な熱量の本作はとにかく必見だ。

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『悪魔を見た』(2010年)

“韓流四天王”の一人として日本でも絶大な人気を誇ったイケメン俳優イ・ビョンホンが、それまでの爽やかイメージをくつがえす“復讐の鬼”という役どころで大きな話題をさらったサイコサスペンス『悪魔を見た』。婚約者を殺されたビョンホン演じる刑事が、『オールド・ボーイ』のチェ・ミンシク演じる連続殺人鬼を追い詰め血も涙もない制裁を加えていく……という物語だ。
血と暴力満載だが、練られた脚本と美しい映像、しっかりと描かれたキャラクター像で単なる暴力映画ではない次元に昇華されている。今なおファンの多い一作である。

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『哀しき獣』(2010年)

『チェイサー』のナ・ホンジン監督、ハ・ジョンウ、キム・ユンソクが再び集結したクライムバイオレンスサスペンス。北朝鮮に国境を接する中国・延辺朝鮮族自治州でタクシー運転手を営むグナム(ハ・ジョンウ)は、借金返済のために賭博に手を出すが失敗。地元を牛耳る犬商人のミョン(キム・ユンソク)から、韓国へ行ってある人物を殺せば借金を帳消しにすると言われるが……。罠にはめられた男の運命に最後まで目が離せない。
『チェイサー』で証明したナ・ホンジンのリアリティ溢れる暴力描写は本作でも健在。また絶対にこの3人で新作を撮ってほしいと願わずにいられない一作だ。

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『新しき世界』(2013年)

イ・ジョンジェ、チェ・ミンシク、ファン・ジョンミンという3大スターが競演した超骨太の傑作ノワール。韓国版「インファナル・アフェア」として話題となり、本国で大ヒットを記録した。監督は「悪魔を見た」(11)の脚本家パク・フンジョンが担当した。
韓国最大の犯罪組織に潜入して8年になる警察官ジャソン(イ・ジョンジェ)。自分と同じ中国系韓国人である組織の№2、チョン・チョン(ファン・ジョンミン)の信頼を得て、その右腕となったが、いつ潜入がばれるかわからない恐怖の中、警察に戻る日を待ちわびていた。ある日、組織の会長が急死したことから後継者争いが勃発。それを好機とした警察側は犯罪組織壊滅を目指す「新世界プロジェクト」を開始する…。
父への忠誠か、兄への絆か。潜入捜査官が両組織の板挟みになる葛藤を描き、男達の哀しみを激しくリアルなバイオレンス描写と共に痛くなるほど描く。予想を遥かに超える壮絶なクライマックスは必見だ。

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