トラウマ必至、閲覧注意… 韓国映画 狂気・オブ・狂気BEST6

第72回カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞(最高賞)、第92回アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞を総なめにするなど世界中で爆発的な人気を博したポン・ジュノ監督の映画『パラサイト 半地下の家族』(2019年)。この作品にスポットライトが当てられたことで、韓国の名作映画の数々が再び注目を集めている。今回はぜひ押さえて欲しい韓国映画<狂気オブ狂気編>をJASON RODMANが選出した。

『母なる証明』(2009年)

『パラサイト』のポン・ジュノ監督が2009年にウォンビンを主役に据えて撮りあげた長編4作目。当時ウォンビンの5年ぶりの俳優復帰作としても話題になった。“韓国の母”と呼ばれる国民的大女優キム・ヘジャが知的障害を負う一人息子を溺愛する母を演じ、その息子役をウォンビンが演じている。
ある小さな町で凄惨な女子高生殺人事件が起き、その容疑者となった息子。息子の無実を信じて真犯人を追う母だったが、息子には母も知らない一面があり……という、最後まで展開が読めないサスペンスだ。
カンヌ国際映画祭などいくつかの海外映画祭で上映され、高い評価を得た。『パラサイト』とはまた違った仕上がりの作品となっていて、間違いなくポン・ジュノの代表作の一つである。

YouTube

『哭声/コクソン』(2016年)

國村隼の怪演が韓国から逆輸入で広まり、近年の韓流映画の中でも最も話題をさらった作品の一つとなったのがこの『哭声/コクソン』だ。
監督は『チェイサー』『哀しき獣』で映画ファンを奈落の底に突き落としたナ・ホンジン。全編を通底するなんとも言えないドス黒い空気は流石の一言だ。
物語は、とある閉鎖的な田舎で村人が家族を惨殺する事件が立て続けに発生。ちょうど同じ時期に村に現れた一人の日本人が怪しいと噂が経つ中、捜査にあたる主人公の警察官。悪霊説まで飛び交う中、彼の幼い娘も原因不明の病に侵されはじめ……というもの。2時間半を超える長尺だが、身始めたらあっという間に一気見してしまうこと間違いなしの怪作。アメリカの人気レビューサイト「Rotten Tomatoes」でも99%の高評価を得ている。

YouTube

『渇き』(2009年)

『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督が脚本・監督を手がけ、カンヌ映画祭で審査員賞を受賞した一作。『パラサイト』のソン・ガンホが、伝染病の人体実験のせいで血に飢えたバンパイアに変貌する敬虔な神父を演じている。
ガンホ演じる神父が幼なじみの妻と惹かれあい、欲望の任せるまま背徳の逢瀬を重ねるが、ついに二人は邪魔者の幼なじみを殺すことを考えはじめ……。バンパイアものの中でも異色の設定&展開の本作。不倫に溺れる妻を大胆に演じたキム・オクビンの妖艶な色気もぜひ堪能して欲しい。

YouTube

『ビー・デビル』(2010年)

人間の本質の暗部をえぐりだす衝撃作を世に送り出したのは、鬼才キム・ギドクの助監督としてキャリアを積んできたチャン・チョルス。さすがギドク組といった怪作で、カンヌ国際映画祭で出品された際も大きな注目を集めた。
銀行員のへウォンは都会での生活に疲れ、幼い頃に過ごした住民わずか9人の孤島を訪れる。笑顔でへウォンを迎える幼なじみのボンナムだったが、実はボンナムは村人たちから過酷な重労働や暴行を受ける悲惨な日々を送っていた。ある日ボンナムはへウォンにある頼み事をするのだが……。虐げられた日々の末に復讐の鬼と化す主人公・ボンナムを演じるのは、『チェイサー』で狂気の連続殺人犯に拉致られるデリヘル嬢ミジン役が印象的だったソ・ヨンヒ。暴力や性的暴行は描写も相当きついので見る人は覚悟が必要かもしれない。人間の恐ろしさを描き切った作品となっている。

YouTube

『イノセント・ガーデン』(2013年)

パク・チャヌク監督がハリウッド映画デビューを果たした作品。インディア・ストーカーは18歳の誕生日に、父リチャードを交通事故で亡くしてしまう。父の死をきっかけに、心を通わせたことのない母と2人きりの生活が始まろうとした時、2人の前に父の弟、チャーリーが現れる。突然始まった叔父との同居生活で、母娘は次第に彼の謎めいた魅力に惑わされていくが、それは彼女達の回りでこれから起ころうとしていた不穏な出来事の予兆だった。
主人公、インディア役には『アリス・イン・ワンダーランド』で主演を務めたミア・ワシコウスカ、母のエヴィ役にはニコール・キッドマンという豪華キャストを迎えた本作品。パク監督の織りなす毒々しい世界観と、場面描写の細部にまで及ぶ物語のヒントに驚かされるだろう。

YouTube

『お嬢さん』(2017年)

作品の舞台は1939年、日本占領下の朝鮮。ある華族の令嬢、秀子が相続する莫大な財産を横取りするべく、詐欺師の男が詐欺集団の少女、ナム・スッキに計画を持ちかける。それは男が「藤原伯爵」という偽名で秀子に接近し、スッキが秀子の侍女として彼との結婚を手引きするというものだった。しかし、スッキは秀子と一緒に暮らすうちに妖艶な彼女に対して密かに魅了されていき、その裏で秀子と藤原伯爵もまた衝撃的な秘密を抱えていた。
サラ・ウォーターズの小説『荊の城』を原案とする三部構成の本作は、2016年の公開後、第69回カンヌ国際映画祭コンペティション部門のノミネート作品となったほか、第71回英国アカデミー賞最優秀外国語作品賞も受賞している。女性キャラクター達を妖艶に映し出す映像美もさることながら、最後の最後まで予測不可能で迷路に入ったような手に汗握るストーリー展開に是非注目してほしい。

YouTube

TAGS