“KOアーティスト” 木村ミノルが覚醒したキッカケとは|#7

木村“フィリップ”ミノルはK-1のリングで鎬(しのぎ)を削るファイターであると同時に、我々と同じく、日々配信される最新の音源やMVをチェックし、ストリートの動向に注意を払う熱心なラップファンでもある。この連載は、そんな木村選手のラップと格闘技まみれの日常をお届けしていく企画だ。
しかし今回は少し趣向を変え、(前後編に分けて)劇場映画「ジョーカー」について話を聞いていく。単なる映画語りではなく、作品を通じて自身の人生を振り返りつつ、その成功の秘訣を語る内容となっているので、映画〜格闘技ファンはもちろん「最近どうも生活がパッとしない」と考えている方々にも、是非ご一読いただきたい。
前編はこちら

“キング”になることが僕のゴール

ーミノルさんにあって、ジョーカーに足りなかったものは?

ミノル:1つ目が「周りからの愛を感じる力」だと思いますね。 例えばアーサーはロバート・デ・ニーロが演じる大物芸人に憧れているんですが、「あいつは有名人で自分を見下している」という勝手なイメージを持っていたから、彼が口にしてしまった言葉を、ものすごく悪く取ってしまう。でも人間ってそんなに単純なものじゃない。良いところもあれば悪いところもあると思うんですよ。
2つ目が「自分は凄い奴なんだ」と信じる力です(キッパリ)。 心に秘めていれば、どんな挫折や困難も明るい未来につなげていくことができたはずだと思いました。

ーミノルさんは、どうやって「自分は凄い奴なんだ」と信じる力を得ましたか?

ミノル:大きな目標というか信念みたいなもの…「いつか自分はこうなりたい」という理想のイメージを持っているのは大きいと思います。「みんなを助けて、世の中を照らす存在で、力強く威厳があって、包容力もあるキング」になることが僕のゴール。そのために、 まずは格闘技の世界で活躍しようとしているし、事業を成功させようとも考えているんです。

ー自分の中で理想的な人間像を明確に持ち、日々そこに近づいていく人生なんですね。

ミノル:そうです。どんなに辛い瞬間も逆転すれば良い思い出に出来る。例えば、より良いキングになるためには、負けを味わっていても決して損はないですよね。その方がより多くの人の気持ちを理解することができるようになるから。そんな風に考えられれば、人から見た「ナシ」な出来事も自分の中では「アリ」になったりする。

AbemaTV 格闘CH/YouTube

努力って願望や忍耐力があるからこそ出来ること

―あらゆることを自分の糧にしてやる、と。最高ですね。

ミノル:本当のことを言ってしまうと、そう考えられるようになったのは、ここ数年のことなんですけどね(笑)。

―なにかキッカケがあったんですか?

体のコンディションは良いはずなのに、調子が悪い時ってありますよね。なぜだろうと原因を考えた時に、メンタルを蔑ろにしていたことに気付いたんです。体の強さって、決して才能だけで決まるものではなくて、しっかりとした生活や食事、自分にとって最適なトレーニングがあってこそ。でもそういう努力って、願望や忍耐力があるからこそ出来ることなんですよ。そう考えるとメンタルをコントロールするノウハウを掴めば、安定して実力を発揮できるんじゃないかなと思うようになった。で、メンタルの制御について調べる中で、成功するためには、哲学や願望を内面にきちんとインプットすることが大切だということを知ったんです。

そこから本当に内容の濃い練習をするようになりましたね。メンタルをしっかり作って、絶対に負けないという気持ちを作って、そこから最も効率が良い最先端の技術や理論を使って体を作り上げていくようになりました。

―ここ数年の活躍には背景があった、と

ミノル:試合に勝ち続けていたら、実際に良いことが降りかかってくるようになったのも良かった。本当に嬉しくて、感動することが、身の回りで沢山起きました。
なんていうか、自分自身で自分を助けるためにも、勝つ事って結構大事なんですよ。それは大きい勝ちであれ、小さい勝ちであれ。そういう経験をするたびに「やっぱりメンタルが大事なんだな」と確信して、それまで以上に「自分は何がしたいんだろう」「何ができるんだろう」と深く考えるようになっていった。

―良くない状況や負けを燃料に出来るメンタルの強さを持つようになっていたんですね。で、勝ちを積み上げて自己肯定感をゲットし、それも燃料にしていった。

ミノル:どんな酷い状況にもゴールに向かうためのヒントは隠されていると思ってます。でも、それはやっぱり大きくてハッキリとした目標を持っているからこそ見えてくるものだと思います。
ゴールをイメージすれば、どういう道をたどってゴールにたどり着くかもイメージ出来るようになる。途中の小さなチェックポイントも見えるようになっていくんです。「小さなこと」と言ったらなんですが、K-1の試合で勝つこともそうです。勝つたびに僕は「大きなゴールにたどり着くための道をちゃんと進んで行けているな」ということを実感している。そうやって確信を積み重ねていくんです。それがポジティブな潜在意識につながっていくんだと思います。

取材・構成・撮影 吉田大

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