不安視されたバスケ男子「ドリームチーム」を覚醒させた男

今回の東京オリンピックでもやはりバスケットボール男子アメリカ代表の実力は抜きん出ていた。ほとんどの選手がNBAのオールスターレベルという布陣なのだから当たり前だろう。しかし、そんな彼らだからこそ今回のオリンピックはとても厳しい大会でもあった。

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「アメリカ代表は素晴らしいプレイヤーが揃っていましたが、ほとんど一緒にプレイしたことがない選手ばかりで、チームとして機能するのはとても難しいことでした」

現地東京で取材を行っていたスポーツライター、ブライアン・ウィンドホルストがこう語るように、アメリカ代表が“チーム”として機能するためには時間がなさすぎた。コロナウイルスにより通常より後ろ倒しになったNBAのスケジュール下で、オリンピック登録メンバーが決まったのは本戦の約1カ月前。そこから2週間のキャンプと4試合の強化試合で調整を行い、東京オリンピックを迎えた。さらにはメンバーのうち3人はNBAファイナルまで進んだものだから、全員がチームに合流し、練習することができたのは開催地東京に入ってからだった。

明らかに調整が足りていないチームUSAは、強化試合でナイジェリアやオーストラリアに敗北。そして、オリンピック初戦のフランス戦も思うようなバスケットが展開できず、まさかの敗北スタートを喫した。この結果にはアメリカ国内からも「今回の代表は大丈夫なのか?」と疑問の声が多く挙がるほど、心配されていたのだ。

しかし、やはりアメリカ代表は“バスケット大国”だった。ウィンドホルストはアメリカが目覚めるきっかけとなったのは、“現NBA最強スコアラー”ケビン・デュラントだったと語る。

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「彼はチームUSAに多大な貢献をしました。今までにない日程のシーズンを終え、彼にとってはアキレス腱の怪我から復帰した年でもあった。すでに金メダルを2度、NBAのMVPも獲得。プレイヤーとして欲しいタイトルはすべて持っている彼があえて今回参加したのは、アメリカ代表として戦うことが特別な意味を持つからでしょう」

初戦のフランスに負けたあと、デュラントはどんどんと調子を上げ、チームUSAも引っ張られるように躍動。前半にエンジンが掛かりにくいアメリカだったが、デュラントは持ち前のシュート力でその問題は解消。初戦以降は負け無しで決勝の舞台へと上がっていった。

「決勝のフランス戦では前半だけで21得点を挙げ、フランスにとっての驚異となりました。彼のキャリアにとってもまた素晴らしい10日間となったことでしょう。これで彼の成し遂げてきたことは、まったくもって非の打ち所のないものとなりました」

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