全身タトゥーの歌姫・ケラーニ、過激な新作とアートワークに込められた意味

ケラーニが2017年の衝撃のデビューアルバム『SweetSexySavage』以来となるニューアルバム『It Was Good Until It Wasn’t』をリリースした。

先行して公開されていた収録曲「F&MU」のミュージック・ビデオは「フxックして、いいことしよう」というタイトル通り、屋内でメイクラブするシーンが続く。本人により“Quarantine Style(隔離スタイル)”と銘打たれている。

Kehlani/YouTube

シャワーシーンの描写があったり、“フxック”という言葉が連呼されるスムーズな同曲は、密室感がかなりエロティックだ。以前にリリースされた「Toxic」のMVも、彼女自身がMacBookのウェブカムだけで撮影しており、閉ざされた状況ゆえの淫靡さが魅力的だった。

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新型コロナウイルスの影響もあり、このような映像作品をあえて連続させているのだろう。続く「Every Business」のMVも同様に“Quarantine Style”だったが、ケラーニはこの状況を逆手にとってクリエイティブな活動を続けている。

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アルバムタイトル『It Was Good Until It Wasn’t』、直訳して“ことが悪くなるまでは良かった”も示唆的だ。

視点を変えることにまつわる物語よ。燦々と陽が射して、空は青い。なのに私の心には何かが引っかかって、それから目を背けることができない。裏面のアートワークが象徴するように、“隣の芝生は本当に青いの?”っていう疑問を投じたのよ。キレイで良く見えるものは、確かにキレイで良いのかもしれない…… そうでなくなってしまうまではね。でもそれって、本当にずっとキレイで良いものだったのだろうかってこと。

『It Was Good Until It Wasn’t』のアートワークは実際に話題を呼んでいる。表面には塀の上から隣を覗く彼女の後ろ姿が写っており、裏面は塀の向こうから彼女の表情を捉えたショットになっているのだが、その背景が彼女の問題提起・社会意識が見事に描かれた衝撃的なヴィジュアルになっている。2020年を振り返る時、多くのリスナーがこのジャケットを思い出すことになるだろう。

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歌詞にも彼女のセンスが全面に活かされており、その過激さゆえに“Parental Advisory(保護者に警告)”の注意マークも付いている。ポップグループのメンバーとしてキャリアをはじめながらも、セクシュアリティの問題や社会に対して尖った姿勢を隠さない彼女の満を持しての2作目。必聴である。

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<トラックリスト>
1. ‘Toxic’
2. ‘Can I’ ft. Tory Lanez
3. ‘Bad News’
4. ‘Real Hot Girl Skit’
5. ‘Water’
6. ‘Change Your Life’ ft. Jhene Aiko
7. ‘Belong To The Streets Skit’
8. ‘Everybody Business’
9. ‘Hate The Club ft. Masego’
10. ‘Serial Lover’
11. ‘F&MU’
12. ‘Can You Blame Me’ ft. Lucky Daye
13. ‘Grieving’ ft. James Blake
14. ‘Open’ (Passionate)
15. ‘Lexii’s Outro’

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