絶体絶命のW杯予選 キング・カズに中田英寿が語りかけた言葉

今年で53歳となった“キング・カズ”こと三浦知良。現在は横浜FCに在籍し、いまなお現役生活を続けるカズは2020年になり、何を考えているのか。今年2月に出版された『カズのまま死にたい』(新潮新書)で、同時代をともに戦った中田英寿について語っている。

本著の「絶対絶命の財産」という項目で、カズは1997年のワールドカップ予選を振り返る。アジア最終予選の初戦は好発進だったものの、徐々に苦戦を強いられた戦いで、「僕らは絶体絶命の淵にいた」という記述が目に留まる。最終戦6戦目のホーム・国立競技場の試合で、アラブ首長国連合(UAE)と引き分けてしまい、「次の試合でUAEが勝利すれば、W杯出場への道は閉ざされる」という危機的状況となっていたのだ。

そんなときに声をかけてきたのが中田英寿だったそう。若干20歳の中田が「カズさん、もっと絶体絶命のところからはい上がったことだってあります。大丈夫ですよ」と背中を押してくれたそうで、カズは「その泰然ぶりの頼もしかったこと」と振り返った。

また「リーダーのあるべき姿」という項目で、カズはリーダーとはどうあるべきかについて綴っている。FC横浜での練習後に監督が「若いやつの声が出てない。もっと要求しろ」と怒ったことで、「確かに20歳のヒデは当時から指示されずともすごく高い要求を周りにしていてね」と、回顧しながらその必要性について示唆する。

「衝突も辞さず、物怖じせず、言うべきことは言う。おのずとリーダーシップを発揮するというか」と続けたカズは、要求の高い選手は自身を真剣に突き詰めていることが多いとして、「煙たい選手の方が、監督と同じくらいチームの勝利を考えていて、頼りになったりもする。自己本位にみえても、勝つために言える人。それもリーダーのかたちです」と持論を展開した。

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