キング・カズが考える、自分の能力を引き上げてくれる存在

今年で53歳となった“キング・カズ”こと三浦知良。現在は横浜FCに在籍し、いまなお現役生活を続けるカズは2020年になり、何を考えているのか。今年2月に出版された『カズのまま死にたい』(新潮新書)で、スポーツのグローバル化とその恩恵について語っている。

2020年9月12日、大坂なおみは全米オープンで2年ぶり2度目の優勝を果たした。大坂は大阪府大阪市中央区出身の女子プロテニス選手。父親はハイチ共和国ポルトープランス出身で、もともとは二重国籍だったが、2019年の22歳の誕生日を迎えるにあたって日本国籍を選択している。

「多彩なルーツ、当たり前に」と題したページで、カズは「僕の世代でいえば、テニスで日本人が世界のトップ10に入るのは至難の業というのが一般理解だった」と切り出すと、2018年にセリーナ・ウィリアムズに勝ち、四大大会である全米オープンを優勝した大阪を称賛する。

近年、テニス以外にもあらゆる種目で日本以外にルーツを持つ日本選手を目にするようになったことを、「肌の色に関係なく、出身にこだわらず、というグローバル化が広がっているんだろう」と綴った。

カズは、かつて一緒に戦ったラモス瑠偉の名前を挙げて、当時はラモスがサッカー日本代表になった際に「ずるい」という声がアジア諸国からあがったことに触れて、大坂も一昔前なら「大坂選手は身体能力をハイチから受け継いでいるから……」といった声があったのではないかと推察。しかし「今後はそんな声も小さくなると思う。それが当たり前になっていくなかで、違和感や偏見は薄れていくんじゃないかな」と予想した。

「ルーツや文化が混じることの恩恵は、サッカーでもあるだろう」と語るカズは、小さいころから周囲に身体能力が高い人がいるのは自分のプレー水準を引き上げられるチャンスだとして、「自分とは異質なライバルが隣に出現をすることで、自分も伸びうるんだ」と文章を結んでいる。

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