茨城弁による掛け合いと激しい「どつき」で注目を集める人気漫才コンビ「カミナリ」の石田たくみ氏は、お笑い界を代表するヒップホップ・ファンとして知られている。本連載は、そんなたくみ氏が愛して止まない「日本のヒップホップ」について喋り倒すインタビュー企画である。今回のテーマは、2020年も大いに注目を集めた東京・新小岩をレペゼンするラッパー「ZORN」について。

ZORNはシンプルでカッコイイ「VANSとコンバースの人」
ー『PUNPEEはニューバランスの1300みたいな人』っておっしゃってましたけど、ZORNさんはどうでしょうか?
たくみ「『Invisible Lights 』って曲でもラップしてますけど、VANSとコンバースですね。実際ZORNさんはVANSとコンバースしか履かないらしいんですよ。ちなみに僕もスニーカーはVANSとコンバースがメイン。まあニューバランスも履くんですけど(笑)」
ー定番のシンプルなスニーカーが好きってことですね
たくみ「なぜかっていうと『あえてシンプルなものを選んで、自分なりに着こなすのが、本当のオシャレだ』って考えだからなんです。希少価値が高かったり、高級ブランドのスニーカーを履いてれば、そりゃ目立ちますよね。でも…」
ー「何を着てるか」ではなく「どう着ているか」で勝負したい、と。
たくみ「VANSの定番といえば、ERA、OLDSKOOL、AUTHENTICあたりだと思うんですけど、どれもシンプルで、値段も高くない。どこでも買える。僕は、そういうものを格好良く身につけたいと思っているんです。“アイツが着ると何でもないシャツも格好良く見えるよな”と思われたいんです。バッグにしても、まなぶは何十万円もするバーバリーのカバンを使ってるんですけど…」
―先輩であるサンドウィッチマン伊達さんに「ユニクロ」って落書きされた伝説のバッグですね(笑)
たくみ「そうそう(笑)。でも僕はあえてJanSportのバックパック。どこにでもあるものが良いんです。これはファッションに限った話じゃないんですが、僕は“シンプルが一番かっこいい”と思ってるんですよね。ZORNさんも、そんな考えなんじゃないかなあ、と」
ーたしかに最近のZORNさんって、シンプルなアイテムをシンプルに着ている印象かもです
たくみ「けどシンプルなファッションって、実は難しいんですよね。だからこそ楽しいとも思うんですけど。と、いいつつZORNさんってWTAPSとかよく見ると高い服着てるし、僕自身も最近はテンダーロインやネイバーフッドを着るようになってたりするんですけど(笑)」
―まあ良い服を着て、高い車に乗って、キッズに夢を与えるのもラッパーや芸人さんの役割ですからね
たくみ「それでも靴だけはシンプルでいいじゃん、と。多分、僕もZORNさんもそこだけは変わってないんです。話を戻すと、ZORNさんはラップもファッションも生き方もシンプル。しかもカッコイイ。ちょっとVANSやコンバースっぽいイメージだと思いません?」
「息子に『証言』を聴かせるとビートに合わせて首を振る」
ー父親という視点からもZORNさんに共感したという話がありました。
たくみ「奥さんに向けて歌った『My Love』って曲があるんですが、リリックがすごく刺さりましたね」
―どんな内容なのでしょうか?
たくみ「(いきなりラップを始める)“高い壁の前 <もう無理だ> 何度も思ったけどよく見りゃ 足を掛けるとこが付いていた”というリリックがあって、“よじ登った 子供担いでな”と続くんです。夫婦で頑張って、子供を担いで壁によじ登るって、ものすごくストレートなリリックじゃないですか?韻はシンプルなんだけど、とにかく心に刺さりました」
ーお子さんについてのリリックにはグッときますか?
たくみ「ですねえ。娘さんに向けて歌った『Letter』って曲があるんです。その中でZORNさんは“何処へでも行け お前らの人生 もし俺が反対しても押し切れ”って歌っているんです。本当にそうだなと思いましたね。僕だって子供が『芸人になる』って言い出したら、絶対に反対すると思うんですよ。でも、それを無視してやってくれたら本当に嬉しい。そのくらい芸人への思いが強いってことじゃないですか?」
ーたくみさんのお子さんって、今おいくつなんでしょうか?
たくみ「上の女の子が6歳で下の男の子が3歳。やんちゃな時期です。息子はヒップホップの曲を聴かせるとビートに合わせて首を振るんですよね(笑)」
ー英才教育ですね!
たくみ「元々は僕が『証言』の動画を見ながら、Dev Largeさんのモノマネをしていたんですよ。そのライブでは、皆さんものすごい勢いで前に出てきてラップしてるんですけど、 Dev large さんだけ後ろの方にいて。ひたすら首を振っているんですよ。で、 自分のヴァースになってようやく前に出てくるみたいな。その動画を見てから、息子も首を振るようになりました。ただリズムに合わせるだけじゃなくて、しっかりスネアのところで首を振ったりしてます(笑)」
インタビュー・構成:吉田大
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