少年時代の楽しみは“喧嘩” ストリートファイターからUFCの頂点を狙う男

「わずか5秒」。UFC史上最速のKO記録を持つホルヘ・マスヴィダル。彼のキャリアはマイアミのとある家の裏庭で始まった。普段は誰もいない場所だが、この日は人で溢れかえっていた。その中でマスヴィダルは自分の出番を待っていた。

「マクドナルドのドライブスルーでキンボ・スライスから電話があったのさ。レイという男と戦ってみないかってね」

キンボといえば、2010年頃からストリートファイト動画をYouTubeに投稿し、一躍人気になった元総合格闘家。巨大な身体で戦う姿は迫力満点だ。

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「キンボとは同じジム仲間だったんだ。彼の裏庭で戦わないかと誘われたのがきっかけさ」

マスヴィダルの相手は通称レイ。身長180cm、体重200ポンド(約90kg)の体格を誇り、ミューチュアルコンバット(相手とフェアなファイトを合意した上で行う勝負)でマイアミでは知らない人はいない強敵。彼が前座試合を数秒で終わらせ大歓声が上がった直後、マスビダルとのメインイベントが始まった。

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子供の頃から決して裕福とは言えない生活を送っていたマスヴィダル。エネルギーが有り余った彼の唯一の楽しみが喧嘩だった。14歳でボクシングジムに通い始め、学校では空手やレスリングに没頭したそうだ。ただ、学業成績が悪く公式試合に出場することはなかった。そして18歳で初めてプロの総合格闘技試合に挑み、1ラウンドKO勝ち。この頃に出会ったパウリーノ・ヘルナンデストレーナーとの出会いが彼の人生を大きく変えた。

「彼にストリートファイトはもう辞めて、プロの試合に徹したらチャンピオンになるまでずっとサポートすると言われたんだ。人生で最も大切な日の1つさ」

2012年にUFCへ転向してからも順調に成績を伸ばし、30代半ばの円熟期を迎えているマスヴィダルは、現在3連勝中でウェルター級4位につけている。UFC 251のUFC世界ウェルター級タイトルマッチこそ王者カマル・ウスマンに苦杯を喫したが、これは本来の挑戦者の代役として大会6日前のオファーを受けた緊急参戦だった。昨年の試合でのファイトマネーは50万ドル(約5,200万円)に達したマスヴィダルは、現在、フロリダの自宅でヘルナンデストレーナーと共に暮らし、ストリートファイターから総合格闘技チャンピオンになる夢を追いかけ続けている。

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