ジョーダンの「ピッペン批判」が物議を呼ぶ “最強の相棒”なしでブルズ優勝はなかった

ピッペンはNBA史上最も優秀な相棒役さ」と語るのは、90年台後半にインディアナ・ペイサーズで活躍し、現在は米スポーツチャンネル<ESPN>のコメンテーターとして人気のジェイレン・ローズ。

ESPN/YouTube

「ピッペンがシカゴ・ブルズに加わって、トライアングル・オフェンスでボールがよく回るようになった。もちろんマイケル・ジョーダン主体のチームに変わりはないが、ボストン・セルティックス、ロサンゼルス・レイカーズ、デトロイト・ピストンズといった強豪チームを下すには、オールスターレベルでプレイをするチームメイト、そして“相棒”が必要だったんだ」と続ける。

「1990年のカンファレンスファイナルで、ピッペンは偏頭痛に見舞われてピストンズに屈したけど、そこから彼の成長は目まぐるしかった。オフェンスとディフェンスの両方をこなせるオールラウンドプレイヤーになった。ピッペンなしでブルズとジョーダンの栄光は絶対に語れない」と語るジェイレン。確かにブルズが初優勝を成し遂げた1991年のレイカーズ戦で、ピッペンが見せたマジック・ジョンソン相手のフルコートディフェンスは圧巻だった。

自身の契約に対する不満が高まり、ピッペンが“せっかくの夏休みをリハビリで台無しにしたくなかったんだ。チームから必要と思われていないのなら、夏休みを楽しんでシーズン中に準備をすればいいのさ”と、意図的に足の手術を遅らせた1997年。案の定、ピッペンがいないブルズは3連覇を目指しながらも、11月まで9勝7敗となかなか波に乗れなかった。
「ペイサーズの時代が到来したと思った?」という質問にジェイレンは次のように即答。「もちろん。その年のオールスターゲームの監督を覚えているかい? 前半戦の勝率が一番良かったペイサーズの監督だよ。俺たちのチームがイーストでNo.1だった。ピッペンが戻ってくるまではね」と答えるジェイレンの声のトーンは暗い。ピッペンが怪我から復帰した時の恐怖を思い出したのかもしれない。

「シーズン中の手術をピッペンは選んだけど、彼の立場だったら多くの選手がそうしていたよ。これだけは言わしてくれ。ピッペンがいなかったら、ブルズはタイトルを1つも取ってはいないさ」と、実際にピッペンと戦ったことのあるジェイレンの言葉には説得力がある。

大ヒットを記録しているNetflixドキュメンタリー『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』で、シーズン直後に手術を受けなかったピッペンをジョーダンは“自分勝手だ”と振り返っている。フロントがピッペンの要望に応える訳がないというのが彼の言い分だ。だが、7年で1,800万ドルというピッペンの契約に対し、ジョーダンは1年で3,000万ドル以上。“相棒”のためにフロントと戦わなかったジョーダンに彼を“自己中”と呼ぶ権利はあるのだろうか?

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