“ジョーダンの時間”は邪魔をしてはいけない 2度目の3連覇を決めたラストダンス

1991年から93年で3連覇を達成し、MLB挑戦のために引退。そして、再びNBAのコートに戻ってきたバスケットボールの“神様”マイケル・ジョーダンは、前人未到2度目の3連覇を狙っていた。

そして1998年6月14日のNBAファイナル第6戦。対ユタ・ジャズ、残り時間42秒で3点ビハインドの場面から、最後の“ジョーダン劇場”が始まる。

タイムアウト明け、コート真ん中からシカゴ・ブルズのボールで試合は再開。最低でも2回以上攻撃しないと逆転ができないブルズは、すぐにボールをジョーダンに渡す。ボールを受け取ったジョーダンは瞬時にドライブで切り込み、わずか5秒で2点を奪い1点差に詰め寄った。

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次はジャズのオフェンス。ここで点を取られてしまうと、残り時間的に逆転はほぼ不可能になってしまう場面だった。

「あいつらが得点を取りたいときに、カール・マローンで攻めてくるのは知っていた。しかも、ずっとデニス・ロッドマンと激しく争っていたから、オレがウィークサイドにいることを忘れていたんだ」とジョーダンが話す通り、ジャズはマローンにボールを託す。そして、完全にこのプレイを読んでいたジョーダンは、シュートさせることもなく背後からボールを奪った。

このとき、ジョーダンはタイムアウトを取るかどうか確認するためにフィル・ジャクソン監督に目をやる。だが、ジャクソン監督にそういった素振りは見られない。「事前に話していないことが起きた場合、試合の流れに任せたほうがいい」というジャクソン監督の長年の試合勘から、あとのことはジョーダンに任せるという判断だった。そして、チームメイトであるスコッティ・ピッペンとロッドマンの2人も「ジョーダンの時間だ。邪魔をするなよ、立っているだけでいい」と、ジャクソン監督と同様にジョーダンに全てを託した。

周りの期待をすべて背負ったジョーダンは、「ジャンプショットでも、リングに向かっても得点が取れる自信があった。あとは、攻めるべき正しいタイミングを見極めるだけだ」と冷静に頭を働かせていた。そして、タイミングを見計らってドライブを仕掛けた。マッチアップしていたブライオン・ラッセルはジョーダンの急激な動きについて行けず、思わずよろけてしまう。その瞬間を見逃さず、ジョーダンはクロスオーバーからジャンプショット。シュートは綺麗にリングに吸い込まれ、このポイントが決勝点となりブルズは2度目の3連覇を達成した。

この時から約20年。いまでもこのプレイは色褪せない。この伝説的なプレイは、コーチやチームメイトをはじめ、ブルズを想う全員のジョーダンに対する“絶大なる”信頼が積み重なって生まれたものだった。

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