政治的発言を控えてきたジョーダンが、声を上げた理由

これまでなるべく政治的な発言を控えてきたマイケル・ジョーダン。Netflixで配信されているドキュメンタリーシリーズ『マイケル・ジョーダン:ラストダンス』でも触れられているが、あくまでも自分は一人のバスケットボール選手であるとして、1992年に起こった黒人男性を集団暴行した警官4人の無罪判決がきっかけとなったロサンゼルス暴動などについても自身のコメントを発表することなどは控えてきた。

しかし、5月25日にミネソタ州ミネアポリスで起こった白人警官による黒人暴行死事件について、ジョーダンは声明を発表。「深い悲しみと痛み、強い怒りを感じている。我が国における有色人種に対する根深い差別や暴力に反対する人々を支持する。もうたくさんだ。答えはないのかもしれないが、我々の声が社会の分断を回避するための大きな力となる。不正に対して平和的な表現を続け、説明責任を求めなければならない。我々は声をひとつにして法律を変えるためにリーダーに圧力をかけ、自らの1票を大きな変化をもたらすために投じる必要がある。私たち1人1人が問題解決のための役割を担い、すべての正義のために心を合わせて行動していこう」と、人種差別に抗議する姿勢を見せた。

彼の社会問題や政治に対する姿勢・発言に変化が見られたのは、かつてのバスケ選手としてのパフォーマンスを重視する生活から、自身の生き方について考えられる生活へと変わったこともきっかけになっているようだ。ジョーダンは2019年10月に米ニュース番組『TODAY(トゥデイ)』のインタビューで「時間にゆとりができたことで、自分のまわりで起こっている問題を理解し、声を上げ、支援することもできるようになった」と自身の変化について語っている。

アメリカ国内外で著名人や企業による抗議活動が広がりを見せるなか、ジョーダンと「Jordan Brand(ジョーダン ブランド)」は10年間で1億ドル(約109億円)を人種差別問題に取り組む団体に寄付することを発表した。ジョーダンはこれまでになく力強いメッセージを発信し、社会正義の実現を支援する行動を起こしている。

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