アカデミー賞でホアキン・フェニックスが投げかけた無言のメッセージ

授賞式のクライマックスにウィナー不在という前代未聞の珍事で幕を閉じた今年のアカデミー賞。『ファーザー』で主演男優賞受賞となったアンソニー・ホプキンスに代わりオスカー像を受け取ったのは、昨年『ジョーカー』で同賞を受賞し今年度はプレゼンターとして登場したホアキン・フェニックスだった。

後日、アンソニー・ホプキンスは受賞アナウンスの瞬間ウェールズの自宅で就寝中だったと代理人が伝えるとさらに話題となったが、この珍事に意図せず巻き込まれる形となったホアキン・フェニックスは授賞式である無言のメッセージを投げかけていた。

それはホアキンが実は昨年着用したタキシードを再度着用して授賞式の壇上に立っていたというもの。ホアキンと言えば、環境問題アクティビストとしての活動も有名で、数々の問題を取り上げては映画業界に警鐘を鳴らしてきた。昨年度のアカデミー賞授賞式の直前には気候変動対策を求める抗議デモに参加して逮捕されてもいる。そして今年、昨年と同じ衣装で授賞式に臨んだのには「サステナビリティ」すなわちファッションの持続可能性をアピールする目的があったのではないかと言われている。

フェニックスは、廃棄物を減らすために、昨年と同じ黒のタキシードに白のボタンシャツと蝶ネクタイを合わせた。彼は昨年のアワードシーズン中はステラ・マッカートニーのタキシードを着用し続けることを約束していたが、2021年もその誓いを継続するようだ。
(USA Today紙)

ちなみに、これまでホアキン本人からは衣装に関するコメントは出ていないが、昨年の授賞式の際にデザイナーのステラ・マッカートニーが次のように明かしていた。

この男こそ勝者よ。カスタムメイドのステラを着ているのは、彼が地球と地球に住むすべての生き物の未来のために選択することを選んだから。彼はまた廃棄物を減らすために、アワードシーズン中ずっとこの同じタキシードを着ることを選びました。あなたと力を合わせられることを誇りに、そして光栄に思います。これからもインスピレーションを与え続け、あなたの光を照らし続けてください。
(ステラ・マッカートニー)

なお、昨年度のアカデミー賞受賞式では、衣装のテーマとして「サステナビリティ/持続可能性」を意識した服装での来場が通達され話題となった。ファッションにおけるサステナビリティとは、大量生産と大量消費をやめることや、単発的な消費をしないことなどが求められているわけだが、ホアキンは今年も引き続き実践し、問題提起を行っていたのだろう。カオスに終わった今年のアカデミー賞の裏にはこんなストーリーもあったのだ。

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