コービー・ブライアント事故死の夜にレコーディング ジェイ・Z、亡き友へ捧ぐトラック

43歳の新人、ジェイ・エレクトロニカ(Jay Electronica)の待望のデビュー・アルバム『A Written Testimony』がついにリリースされた。その作品を締めくくるクロージング・トラック「A.P.I.D.T.A.」が、先日早逝したバスケット界のスーパースター、コービー・ブライアントの死の晩である2020年1月26日にレコーディングされたことが、Instagramで公開されたライブセッションで明かされた。

jayelectronica/YouTube

この曲にはコービーの友人であるジェイ・Zが参加しており、冒頭のヴァースで亡き友を悼んでいる。

“俺の電話にはもう二度と鳴ることの無い番号がいくつもある
アッラーが彼らを家へと還したから
もう俺たちがともに歌うことは無いだろう
俺の電話にはもう二度と通知音の鳴らないメールがある
スクリーンショットして手元に残した
なぜなら俺はもうこれ以上……”

一方、ジェイは自分のヴァースで亡き母を追想した。

“創造と誕生について思いを馳せると
傷を癒す塩が俺の目から溢れ出す
まるで解放のように
考えることをやめられないんだ
電話に登録された番号
電話に保存された画像
ママが死んだ日 俺は一日中彼女からのメールを読み返していた
肉体は天に還る でも絆は強いまま 消えやしない”

コービーは大のヒップホップ・ファンだったことでも知られ、実現こそしなかったものの、90年代末には大手レーベルと契約し『Visions』と題されたアルバムをリリースする予定もあった。

元チームメイトのブライアン・ショウは「ジェイ・Zのアルバムがリリースされた翌日、コービーはバスの後部座席に座って全曲のラインを覚えてラップしてた。本当に全部の曲、一語一句だよ。すごいな、って驚いたよ。なんでそんなことができるのか誰にも理解できなかった」と語っている。リリックをすぐに覚えてしまうほどのヒップホップ愛と、ラップの才能がコービーにあったことを物語るエピソードだ。

ジェイ・Zも2月にコロンビア大学で行ったスピーチでコービーについて語っている。

「何度か一緒に出かけたり遊んだりしました。最後に会ったのはニューイヤーで、場所は私の自宅でした。彼は私の知る限り一番幸せそうな、満ち足りたような状態で、彼との最後の会話の一つは娘のジジのことでした。“ジジがバスケする姿を見せたいよ”と私に語ったことを覚えています。私はそれがとても痛ましい。彼は本当に誇らしそうでしたから」

偉大な選手の突然の死は、人々が死者へ想いを馳せるきっかけとなり、今回のジェイとジェイ・Zをはじめ多くのラッパーたちがリリックを生み出している。これまでも数え切れないほどのラッパーたちのインスピレーションとなってきたコービー。これからも折に触れ、追悼されることだろう。

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