ファンとの10年越しの約束を守る J.コールの漢気

ニュージャージー州にあるローワン大学で行われた卒業式に突如姿を表し周囲を驚かせたグラミー賞受賞ラッパーのJ. Cole(J.コール)。昨年バスケットボール・アフリカ・リーグ(BAL)でプロデビューをして世間を賑わしたが、有言実行の男としても知られる。彼が卒業祝いをしたのは家族や親戚ではなく、意外なことに十年近く前に出会った一人のファンだった。

二人が初めて知り合ったのは、2013年にコールのラジオにかけた1本の電話。まだティーンエイジャーだったCierra Bosargeさんは彼の大ファンで、誕生日のお祝いをして欲しいと放送中に電話をかけたそうだ。彼女の人柄に惚れたコールは3カ月後に直接会う約束をし、そこでCierraさんは何年も前に書いた手紙を彼に手渡した。

「手紙にはそれまで私が経験してきたことをそのまま書いたの。養子にもらわれたことや両親がドラッグを使うようになり刑務所生活を繰り返していたこと。当時両親が二人とも刑務所にいたので、彼に高校の卒業式に出席してくれないかお願いしたの」と苦労してきたCierraさんの手紙を読んだコールは高校の卒業式に出席すると約束するが、条件を一つだけ出した。それは彼女が4年制の大学へ進学すること。

コール自身もセント・ジョーンズ大学を優秀な成績を修め奨学金を貰って卒業している。図書館の延滞金を払い忘れ、卒業証書を貰ったのは卒業から8年後のホームカミングコンサートだったというオチもあるのだが、学ぶ大切さをずっと子どもたちに伝え続けている。

コールに会ってから高校卒業までの2年間、Cierraさんは良い成績を残し大学進学も決まった。それを聞いたコールは約束通り彼女の高校の卒業式に出席。だが、コールの優しさはそれでは終わらず、Cierraさんの大学の卒業式にも姿を現したのだ。スーパースターの登場に驚いた卒業生や出席者が彼と撮った写真はSNSで拡散され、大きな話題になった。

「大切な人たちが卒業式に出席してくれて本当に幸せ。だって、沢山の愛を感じたから」Cierraさんにとってかけがいない思い出になったようだが、これに「卒業本当におめでとう。よく頑張ったね!!」と、コールのマネージャーも彼女をTwitter上で祝福した。「研鑽を積んでいけば、1年で人生が変わる」と胸を張るCierraさんだが、今度はコールの番だ。カナダのプロバスケリーグデビューを果たすという発表があったばかりだが、評判も上々な最新作『The Off-Season』(2021年)に続く次回作、そしてライブなど、コールの音楽面での動きにも注目したい。

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