SNSで再評価 「史上最高のディス曲」とは?

1980年代の伝説的ヒップホップグループ、N.W.A.(エヌ・ダブリュ・エー)の元メンバーであり、“ギャングスター・ラップ”を定義づけた最重要人物でもあるラッパーのIce Cube(アイス・キューブ)が約30年前に発表した「No Vaseline」は、“史上最高のディストラック”といえば真っ先に挙がる楽曲のひとつだ。

Ice Cube / Cubevision/YouTube

この曲は、1989年にN.W.A.を脱退してソロに転向したアイス・キューブが1991年にリリースした2ndアルバム『Death Certificate』に収録。グループの主力メンバーだった彼が、イージー・E、ドクター・ドレー、MC・レン、DJ・イェラといったN.W.A.の残るメンバーたち、そして初代マネージャーだったジェリー・ヘラーらを強烈にディスった曲だ。

アイス・キューブは「Yella Boy’s on your team, so you’re losin’(イェラ坊やがチームにいるからお前らの負けだ)/ Ay yo Dre, stick to producin’(ドレーは金稼ぎに執着してるのか) / Callin’ me Arnold, but you been-a-d*ck(俺を裏切者と呼ぶけど、お前らこそ間抜けだ)」などと、同じグループにいた面々を名指しで攻撃。セールスのために媚びていることや、白人マネージャーに権利を握られていることなどをパーソナルな想いを込めて痛烈に批判した。

アメリカのヒップホップ音楽誌「XXL」が公式ツイッターで公開した「史上最高のディストラックは?」という質問に、ネット上で「『No Vaseline』しかない。全員攻撃して、残るN.W.A.をほぼ壊滅させた。『Hit Em Up』はぬるい」、「ダントツで『No Vaseline』だね。『Hit Em Up』、『Ether』、『Killshot』、『The Story of Adidon』みたいな曲を決しておとしめるわけじゃなくて、この曲は独りで4人を攻撃し、しかも圧勝している」などという意見が寄せられた。

2パックからザ・ノトーリアス・B.I.G.に向けられた「Hit Em Up」、ジェイ・Zに向けたナズの「Ether」、エミネムのマシン・ガン・ケリーに対するアンサーソング「Killshot」、プシャ・Tがドレイクに反撃した「The Story of Adidon」など……偉大なディストラックとして評価されている曲と比べても、アイス・キューブが複数のメンバーをこき下ろした「No Vaseline」は別格感があり、いまもなお最強のディストラックとして君臨し続けているようだ。

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