Google検索ワードから見たアメリカのカルチャー

Googleが2004年1月から2019年1月までの間で検索されたワードを統計した結果、アメリカの文化に黒人が多大な影響を与えたことが明らかになった。

1月26日(現地時間)に開催されたグラミー賞の授賞式中に、「The Most Searched:A Celebration of Black History Makers(最も多く検索されたこと:黒人の歴史を讃える」と題したCMが放送された。

いくつかピックアップしてみよう。

最多検索パフォーマンス:2018年コーチェラ・フェスティバルでのビヨンセ
最多検索ギター・ソロ:プリンスの「Purple Rain」
最多検索リミックス:リル・ナズ・Xの「Old Town Road」
最多検索女性詩人:マヤ・アンジェロウ
最多検索テニスプレイヤー:セリーナ・ウィリアムズ
最多検索ピューリッツァー賞受賞者:ケンドリック・ラマー
最多検索アメリカ国家斉唱:1991年スーパーボウルでのホイットニー・ヒューストン
最多検索社会運動:公民権運動
最多検索スピーチ:キング牧師

アメリカのカルチャーを今日に至るまで牽引し、築き上げてきたのは黒人たちだったと彼らの功績を讃える映像広告である。2月のアフリカ系アメリカ人歴史月間(イギリスでは10月)に合わせての公開であり、また、GoogleはNAACP(全米黒人地位向上協会/全国有色人種向上協会)が主催する、学問、文化、技術などの幅広い分野を対象に、アフリカ系の高校生を支援するプログラム「ACT-SO」に300万ドル(約3億3千万円)寄付することを予定しているので、その活動を宣伝する意味もある。

しかし、グラミー賞の最中に放送されたことには別の理由も考えられる。毎年のことだが、グラミー賞には人種的あるいはジェンダー的偏向が見られるとして批判が絶えない。先日退任したグラミー賞を主催するレコーディング・アカデミーのCEO、デボラ・デューガン氏までも、投票には操作が介入しており、ジェンダー/人種差別的傾向があるとして選考委員を痛烈に批判している。このCMはそのような批判に配慮した“バランス処置”であるという見方もあるのだ。

また、映画の祭典アカデミー賞でも同様の批判は続いている。“偏向/差別批判”自体にも賛否はあるが、いずれにせよこのような賞レースでの騒動は、アメリカという国の人種/ジェンダー平等の道のりが途上であることを物語っているとも言えるだろう。

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