“地上最強の生物で人類最強の男”がもっとも尊敬する男

3月27日(日本時間28日)に行われた総合格闘技UFCヘビータイトルマッチで、王者スティペ・ミオシッチを相手に、わずか2RでKO勝利を奪い取ったフランシス・ガヌー(Francis Ngannou)の獰猛な姿に、格闘技界は戦慄。新チャンピオンによる新しい時代の到来に沸いたのだった。

UFC - Ultimate Fighting Championship/YouTube

その新王者となったフランシスが4月13日、かのマイク・タイソンに招かれ、人気ポッドキャスト番組『Hotboxin’with IRON Mike Tyson』に出演。そのときの様子を収めた短い動画を、ガヌーが自身のYouTubeチャンネルで公開している。

Francis Ngannou/YouTube

カメルーン出身のフランシスは貧困と荒れた生活から抜け出し、ボクサーとして一旗上げるためにヨーロッパを目指すも、不法滞在で投獄されたり路上生活を経験したり、途中で総合格闘技に転向したりと、かなりの苦労人。父親がストリートファイターだったこともあり、犯罪に染まりやすい環境で育ったが、反社会的勢力に飲み込まれることなく、夢を信じてきた。そんな青年期に憧れ、今も尊敬しているのがマイク・タイソンだ。

「マイクは一緒にいると本当にクールな人。えーと、とにかく今からワクワクしてるんだ!」

以前にもタイソンの本拠地、大麻リゾート・農場のタイソン・ランチ(Tyson Ranch)で面会しているフランシスだが、2回目であってもやはり憧れの存在に変わりない。

「彼の存在が僕にとってどれほど大きなインパクトを与えたことか。彼のビデオを何度も繰り返し見たよ。そして“ああ、彼のようになりたい!”って強く思うことが、僕の前進する力になった」

一方マイクもフランシスを可愛がっているようで、「フランシスがその才能で、どんどん成長してゆく過程を見られて本当に誇らしいよ。何かを失って、そこから這い上がってきた。人生を生きるってのは、失うことの連続だからね。あの選手に以前は敗北したわけだろ。そういう苦い経験がある中、今回勝利を手にいれた。すごいことなんだよ。負けた記憶っていうのは邪悪な亡霊みたいにしてずっとつきまとうものだからね。でも彼はそれを乗り越えたんだ」

2018年に挑戦権を得てミオシッチに挑むも5R判定負けを喫した経験を持つフランシス。その諦めなかった姿勢をタイソンは褒め称える。そしてときにふざけ、じゃれ合う様子はまるで巨大なライオンの親子か兄弟のようだ。

出演を終えたフランシスは「マイクはとにかく、何をしゃべっていても楽しくて面白くて、その姿勢とか考え方は本当に勉強になるんだ。なんていうのかな、すごく実行主義っていうか。こうするべきって決めたら、とにかくやるんだよね。うん、今回も本当に良い時間を過ごせた。最高だったよ」とやはり嬉しそう。

ついに王者となり、胸を張って憧れの存在に会いに行ったフランシス・ガヌー。UFCヘビー級チャンピオンということは現在“人類最強の男”であるわけだが、かつてのタイソンも同じく人類最強の男だったのだ。似た生い立ちと境遇の両者が語り合う『Hotboxin’with IRON Mike Tyson』フランシス・ガヌー編、格闘技ファンは必聴必見だ。

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