細田守にプロテインを注入しまくった筋肉サマーウォーズ 映画という名の暴力『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』

パワーが足りない。
猛暑の続く昨今、そう感じる夏バテの人もいるのではないだろうか。

土用丑の日とは言うものの、なかなかウナギもおおっぴらに食いづらい世の中である。
だが安心してほしい!
見ただけでパワーがみなぎる映画が遂に公開された!

それが『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』だ!

主演は今をときめくステイサムとロック様。
このキャスティングだけでも大分胸焼け必死ですな。
思えば、ワイスピに合流してからシリーズを加速させた二人。 
世界的に公開される映画シリーズに、ヴィン・ディーゼルも含めるとスキンヘッドが三人いる、稀に見る異常事態であった。

更にロック様もステイサムも、それぞれの作品で巨大ゴリラとタッグを組み、巨大サメを一本釣りした経歴がある。

前作「ワイルドスピード ICEBREAK」では喧嘩しながら脱獄を10分で済ますなど、ただの脇役として済ますには個性及び戦闘力が高すぎる二人であったが、お見合いでいう「あとは若い二人に任せて・・・」的な判断があったのかもしれない(多分)
外伝として『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』が作られるのは無理のない話であった。

しかし、もはや人を超えた感のあるステイサムとロック様である。
果たして誰が相手をするのかと思いきや、なんと改造人間と化したイドリス・エルバを敵として投入!

喧嘩するほど仲のいいステイサムとロック様コンビvs. 改造人間イドリスエルバを擁する悪のハイテク組織、という老若男女も5秒で納得できるあらすじとなった。

まさにシリーズでいうストリートの枠を飛び出した結果、細田守にプロテインを注入しまくった筋肉サマーウォーズの様相を呈する。

龍と虎、猪木と馬場といわんばかりに対照的なステイサムとロック様が各々の戦闘スタイルで敵をしばき、お互いラッパーばりにディスりあう珍道中(主に人が死ぬ)から始まり…

悪の組織への真正面からの殴り込み
実家を舞台にしたバトル盆踊り
戦闘ヘリVS合体中古車
身も蓋もないラストバトル
遂に繰り出されるステイサムとロック様のスーパーコンボ

…と、ブレーキ知らずとしかいいようがない展開が目白押しである。

何せ敵が自律型のバイクに乗ってくる仮面ライダー・イドリスエルバである。
普通であれば気の利いた倒し方をするもんだが、なんと本作はゴリ押しのパワープレイで通す。

誤解を恐れずに言うと、まさに映画という名の暴力。

絵面すべてがこちらを殴り、打ちのめされる。

いわば暖簾分けしたラーメン屋が、本店以上に具を乗せまくったラーメンを出し更に餃子も付けたようなもんである。

おそらく脚本を通した人は関係者を2~3人殴り倒したのではないだろうか、と思わずにはいられない。

見た人によっては、もうワイスピじゃないじゃん!と思う人もいるだろう。

だが、待ってくれと。

本作は外伝ながらスピードの向こう側へ到達したといっても過言ではない

オマエはクスリでもやってるのか?といわれるかもしれんが、作品自体を車だとすればステイサムとロック様はエンジン、イドリス・エルバはニトロだ。

ツインターボな二人が「理屈はいらねえ。パワーにはパワーをぶつけろ!」「喧嘩に勝つのは腕っぷしじゃねえ!ハートだ!」というメッセージを轟音で叩きつけてくる。

スーパーコンボはワイルドスピードというタイトル自体を『概念』化した作品といえるのではないだろうか?

『だろうか?じゃねえよ』と言いたくなる人もいるかもしれませんが、俺のように人を狂わせ、根拠なく元気を与えてくれるプロテインのような映画ですよ。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

©︎ Universal Pictures

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