「死ぬ気でやらないとやられる」 エミネムが語るヒップホップ

エミネムがキング・クロケッドの番組『Crook’s Corner』に出演。全米アルバム・チャート<Billboard 200>で10作連続初登場1位という前人未踏の新記録を達成した最新アルバム『Music To Be Murdered By』のリリース以降初めてのインタビューとなる。お互いをリスペクトするラッパー同士だからこそ話せるディープなトークが1時間に渡って展開され、エミネムが胸の内に秘めたアツいヒップホップへの愛を明かした。

キング:これで通算10枚が<Billboard>でNo.1を獲得したわけだけど、とにかくおめでとうと言いたいよ。すごいことだよね。どうなの? そんなことが起こるなんて思ってた?

エミネム:想像もできなかったさ。だって俺からしたら、子どもの頃からのヒーローに会えたりするだけでもすごいことだから。

エミネムは子どもの頃からの憧れだったLL・クール・Jとのエピソードを明かした。

エミネム:史上最高のラッパーだろ。どういうわけか一度、一緒にドライブしたことがあって、彼は俺のアルバムを最初から最後まで聴いてくれた。俺はもう、なんて言っていいかもわからなくてさ。だから車から降りる時に“あなたが俺にとってどれほど大きな存在か、それだけは伝えさせてください”って言うのがやっとだったよ。あまりクサい感じにはしたくなかったんだけどね。でも、15、6歳のころのMarshall Mathersに“いずれそういう日が来るぞ、LL・クール・Jと車に乗って、お前の曲を一緒に聴くんだぞ”って教えたら、“デタラメ言ってんじゃねえよ、失せろ”って返されるだろうな。初めてドレーと会った時なんかも、“うわ、これマジかよ……”って感じだった。

キング:そういうヒップホップっていうカルチャーへの愛が、自分を地に足がついた状態にしてくれてるというか、つなぎとめてるんだとは思わない? これほどの成功を収めると、人間が変わってしまうこともあると思うんだよ。何が君をつなぎとめてるんだろう?

一瞬考えた後、エミネムはヒップホップへの想いを語り始める。

エミネム:俺はこのヒップホップっていうアートフォームを心底愛しているし、本当に情熱を持っている。俺が唯一やれることだったし、唯一得意なのがこれだったんだ。バスケ以外ではね。バスケに関しちゃ、かなりのもんだけどさ(笑)。
例えば、君やロイス・ダ・ファイブ・ナインがやってるのを聴くとさ、“参ったな”って思っちゃうからキツイんだよ。聴きたくないってわけじゃないよ。でも、同じトラックでラップするってなったら、もう緊張がヤバイんだよ。“マジで死ぬ気でやらねえと、やられちまう”ってさ。テック・ナインなんて、もうハンパないじゃん。なんていうか……、わかるだろ? 20音すべての音節が韻を踏んでるような、ものすごいライムを叩きつけてくるわけだよ。

これについてはキングも同意し、「俺もあんたがやったのを聴くと、“やられた”って思う。“くそ、俺だってそういうことが言いたかったんだ。でも俺とは違うやり方で先にやられたから、もう言えねえや”ってさ」と、ラップの“戦い”について語り合った。

ヒップホップ/ラップとは、お互いを認めて切磋琢磨し、高め合う文化だということで両者は共感する。そしてエミネムはそういうヒップホップを“心底愛している”と語る。ほかのアーティストのTシャツを好んで着るのも「キッズに戻ったような気分になれるだろ」と説明する。一般的には知られていないアーティストを紹介し、ヒップホップを広めることも積極的に行っているそうだ。

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