グレート・ティーチャー・トム、母校へ帰る ベタさが逆に新しい『トップガン・マーヴェリック』

トムの青春に終わりはない!
そんなマニフェストを観客へ叩きつける映画ーーーそれが5月27日(金)に公開された『トップガン・マーヴェリック』だ!

パラマウント・ピクチャーズ/YouTube

伝説の天才パイロットとして名を馳せた前作から36年。ピート・ミッチェルことマーヴェリック(トム・クルーズ)は、いちパイロットとして現場主義を徹底していた。
年齢を重ねパッと見は落ち着いては見えるものの、上への喧嘩上等・爆走精神は健在。音速を超える試験機を無許可でギンギンにブッ飛ばした結果、限界を超えた機体は空中分解!
本人は当たり前のように無事ではあったものの、上から大目玉を食らい基地から追い払われてしまう。

普通であれば凹むもんだが、そこはトム…じゃねえや、マーヴェリックだ。もう慣れたもんなのであろう。

どこ吹く風と、ピカピカに輝くトムスマイルを浮かべるマーヴェリックに、新たなミッションが下される。
それは母校にて選ばれた若きエリートパイロットたちへ、自らのパイロット技術を叩き込む教官仕事であった。

今では空軍大将にまで上り詰めたかつてのライバル=アイスマンの指名というのもあって、断れるはずがない。さっそくノーヘルでkawasakiのninjaを駆り、GTOの鬼塚ばりに登校するマーヴェリック。

常識破りにもほどがある彼に白羽の矢が立ったのには、実は理由があった。
訓練後、若きパイロットたちはスターウォーズのデス・スター破壊ばりに困難なミッションが待っていたのだ。多少の犠牲も厭わない上層部であったが、かつて戦友グースを失った経験のあるマーヴェリックが「そうですね!」と納得するはずがない。

速攻、『全員を生きて帰還させます』とブチかますのであった。それだけでもややこしい話であったが、若きパイロット達の中に件のグースそっくりの若者が…ていうかアイツの息子じゃん‼︎とマーヴェリックは目を疑ってしまう。

一方グースの息子=ブラッドリーことルースターは「あ!マーヴェリックだ!」とバチバチにガンを飛ばすのであった。

というのも、二人にはグースの死とは別に、ある因縁があったのだ。

そんな二人を尻目に、作戦参加の資格を得るべく火花を散らす血気盛んな他の若きパイロット達。訓練期間はたったの3週間。

果たしてヤングな世代はマーヴェリックの熱きパイロット魂を継承できるのか?
何より、ルースターとの確執を乗り越えられるのか?
こうして、マーヴェリックの体を張った熱血授業が始まるのであった。

パラマウント・ピクチャーズ/YouTube

いわば『トム母校へ帰る』の趣がある本作。

鬼塚栄吉ばりにGTT(グレート・ティチャー・トム)と化したマーヴェリックに目を見張るだろう。
前作の無印『トップガン』にて、トムはヤンチャ、挫折、再起という青春コンボを叩き出し、映画スター街道を爆走するきっかけとなった。

作中は勿論、リアルのトムにとっても母校な作品=それが『トップガン』だ。デビュー当時は白い歯が眩しい爽やかスマイルの青春スターだったトム。今では爽やかスマイルはそのままに、作品の為ならケガを厭わない役者バカへ進化!
そのアグレッシブな姿勢は本作のキャラ模写にも活かされている。自己紹介したかと思うと、生徒たちの目の前で戦闘機のマニュアルをゴミ箱へスローイング!

常識を捨てろ!とマナー講師なら激怒しそうな破天荒ぷりを全開!更には「机上の空論をこねるより、まずは俺を模擬訓練で撃墜しろ!」と自ら戦闘機に乗り込むトム。現場主義と指導に熱が入り過ぎ、誰もトムを撃墜できないのであった。

結果、最初は若手のみで行うはずだった作戦にトムもちゃっかり抜擢されちゃう番狂わせが発生!教官としてダメじゃん!という話ではあるが、パイロットとしては正解だ!

他にも当たり前のように映画のリアリティラインを突破してくる本作。ロジックよりも痛快さが上回り、二の句を継がせない凄みがある。
36年前の作品の続編となると、時代に思いっきり合わせて変化球を放ちがちだ。

本作のトム演じるマーヴェリックのキャラ造形にも程よい爽やかさ、程よい哀愁がブレンドされているものの、照れなし・小細工なしのゴリゴリなストレートをコチラに放ってくる。製作側のベタさを恐れない姿勢は、今の時代では逆に新しい!とさえ思わせてくれるだろう。

劇場観賞後、映画館のフロアへ出ると前作リアル世代であろう男女数人が興奮して語り合っている光景に出くわしたのだが、年配な彼らが、どこか若返っているように見えた。

一作目や本作のビーチではしゃぐ若きパイロット達の姿がオーバラップしたのは俺の気のせいかもしれんが、観るアンチエイジング映画の要素が本作にあると思わせたのだった。

ともあれ、かつてアントニオ猪木が「猪木が笑えば世界が笑う」という言葉を放ったが、本作はストーリーを通じて「トムが飛べば世界が飛ぶ」を証明している作品だ。

リアル世代だろうがそうでない世代だろうが、トムは観る者をブチアゲてくれるだろう。

是非劇場で彼と一緒に大空を駆けて欲しい。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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