戦場でナンパなイケメン(前髪長め)は生きてけねえ! マニュアルなし、死のワンオペ 『モスル あるSWAT部隊の戦い』

社会という戦場で絶賛戦闘中の皆さん、お待たせしました!
現場で血反吐を吐きながらも進むしかない人にとって、実にグッとくる映画が11月19日(金)に公開された!
それが『モスル あるSWAT部隊の戦い』だ!

ポニーキャニオン映画部/YouTube

イラク第二の都市ーーーモスル。
もはや治安ゼロな24時間営業の死のコンビニと化していた。
そんな現場にて、マニュアルなし・死のワンオペ状態で新人警官のカーワは過激派を相手にする地獄の日々を送っていた。
今日も今日とて警官にしてはオーバーワークな銃撃戦に遭遇!
気が付けば同じ警官の叔父も撃たれて絶命、もはや銃弾も命運が尽きたかと思われたカーワであったが、なんと唐突に謎の野郎どもが横から殴りこみ!!
粗野かつぶっきらぼうな態度で躊躇なしの殺戮っぷりを眼前で披露していく。

この光景に目を疑うカーワであったが、果たして彼らは治安維持を目的としたSWAT部隊なのであった。
とはいえ、SWAT部隊の鬼隊長ジャーセムを筆頭に、どいつもこいつも野良犬っぷりがハンパない。
「ホントにカタギなのかしら…」と若干引き気味のカーワ。
そんな彼へお構いなしに「お前は見込みがある!俺たちの仲間になれ!な!?」と、ほとんど地元のヤクザみたいなノリで隊長はドラフト指名するのであった。

普通であれば「いや結構です」と速攻断りたくなる指名だが、どうやら入隊条件はイスラム過激派に親族を殺された者だという…
今しがた叔父を目の前で亡くしたカーワにとって、この指名を断る理由はない。

こうして部隊へ電撃加入を果たすカーワであったが、部隊はサーチ&デストロイ+命令違反上等な姿勢でブイブイ言わせながら紛争地域を練り歩き!
もうSWATとは名ばかりの殺しの軍団っぷりに「いや、さすがに殺り過ぎじゃない?」という疑問を抱かないわけでもないカーワであったが、どうやら部隊は誰の指示か分からん密命を帯びているようだ。

それはそれとして、郷に入っては郷に従え。
警官時代同様、OJTなしで修羅場に次ぐ修羅場を幾つも経験し、半日にして戦闘マシーンと化していくカーワなのだった。
次々と仲間を失いつつ、遂に過激派の最前線に乗り込む野良犬SWATたち。
殺伐ライフを送る彼らが、一体何の為に命を張るのか?
こうして、生きるか死ぬかの限界ミッションが幕を開けるのであった。

主人公のカーワと共に観客も修羅場の最前線に放り込まれる本作。
乾いた紛争地域模写、いつ誰が死ぬか生き残るか分からない緊張感に溢れている。
本作の主人公カーワも青さの残る顔だったが、入隊してからは一転。
序盤こそ死体から剝ぎ取った装備を着せられドン引きしていたが、いつしか敵の銃弾や装備を無言で回収していくのであった。
たった半日で立派な殺人マシーンと化していく様に目を見張ってしまうだろう。
入社当時は爽やかだった新人が、いつの間にか目が死んでいたのを職場で目の当たりにしてきた俺からすると、この人物模写に震えてしまった。

同じような戦闘マシーンの同僚達も、正体は不明であれど味のある信頼できる顔しか並んでいない。
どいつもこいつもヒゲ及びグラサンにタクティカルベスト。
右を見ても左を見ても、殺傷力高めのコーデだ。
誰一人、土に汚れてない野郎はいない。
戦場でナンパなイケメン(前髪長め)は生きていけねえ!
生きる上で重要な真理を本作は教えてくれる。

そして何と言っても作品に華を添えるのが全員の標準装備であるAK47だ。
こと映画の悪役が使いがちなライフルAK47だが、本作では大活躍!
もうキャストに数えても良いくらいに存在感を発揮しているのにも注目してほしい。
映画ではなかなか見かけないホロサイトとAKの強引なカスタムが登場するなど、なかなかにミリオタ泣かせだ。

それもそのはず、本作の製作はルッソ兄弟!
タイラー・レイク-命の奪還-』ばりに、ルッソ印のタクティカル模写がキラリと光っている。
どうしてもアメリカ製作となると自国の正義を押し付ける形になってしまいがちだが、アメリカ映画ながら全編アラビア語、中東のキャストで固めているなど、本作は安牌を引いていない。
地域密着型の姿勢が伺える作品だ。
ともあれ、景色は違えど今まさにスパルタな環境で生きる人にこそ見て欲しい映画ですよ。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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