『ランボー』は社会に居場所がない、あるいは日常生活に戻れなくなったヤツほど観るべき映画

ああ…今、俺ランボーだなあ…
そんな瞬間が皆さんには無いだろうか?

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あれはクリスマス・イヴだっただろうか…
以前黒い会社にいた際、深夜までボロボロになるまで働き、ゴミだらけのレオパレスに帰宅する日々を送っていた。
その日もベトナム戦線のような一日を終え、独りで帰宅したのだが、一向に電気は点かない。
仕事にかまけて日常を忘れていたおかげで、電気料金を支払うのをスッカリ忘れていたのだ。
3時間後には、再び仕事だ。
休みは当分ない。
手元には職場で食い散らかされたクリスマスケーキに付属していたロウソク。
とりあえずロウソクに火を点け、頬杖をつきながらボーっと見つめて過ごしたのだった。
あの時の俺の頭にはジングルベルじゃなく「中隊長から大ガラス!どうぞ!大ガラス応答せよ!」というアナウンスが頭に鳴り響いていたのは言うまでもない。

ただのダラしない社畜の話じゃねえか!と言われるかもしれんが、 あの時の俺は間違いなくランボーだった。

今はどうなんだ!?と聞かれたら、あれから『ランボー3~怒りのアフガン~』になった位だ。つまり変わらん!ほとんど!!

…というわけで、現在も絶賛社畜中の俺なわけですが、こちらのサイトに来ている人の中にも電気を消しロウソクの火だけを見つめて土日を過ごしている人がいるかもしれん。

クリスマスイヴの俺のように! いや!多分このサイトに来てる人は、そうに違いない!8割は!!

そんな日々『元ベトナム帰還兵』のような気分の方の為に、今回はスタローンの人気シリーズ第一作『ランボー』を御紹介させて頂きます。

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元グリーンベレーの帰還兵ランボー。
過酷な戦争勤めを終え、母国アメリカに帰国した彼は、かつての戦友を訪ねていた。
しかし悲しいかな、戦時中に受けた枯葉剤の影響で既に死亡しているのを戦友のオカンから伝えられてしまう。
共に命を預けた戦友全員が世を去った事実に絶句するランボー。
お悔みを何とか伝えたものの、気持ち的にはガン萎え。

お通夜モードになりつつ昼飯を食うため町へ向かうランボーであったが、地元の保安官ティーズルからゴリゴリに職務質問を食らってしまうのだった。
口下手なのと小汚い身なりなのが災いし、お通夜モードなのをお構いなし「町に行くなよ!帰れ!」と言われるランボー。
町外れまで送迎してもらえたものの、何せティーズルの上から目線の態度が気に食わない。
そして、まだ昼飯も食ってねえ!とガン無視!
思いっきり徒歩で反逆のUターンをかますランボー。

結果、ティーズルの逆鱗を買い、電撃逮捕を食らってしまうのだった。それでも愛想のない態度をとるランボーであったが、人権に対する意識が紙より薄い地元警察はソレが気に食わない。
あてつけのように棒でシバかれ、水責め、強制シェービングなどの人権無視コンボを食らってしまう。

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これを黙って耐えるのは、ランボーには無理な話だった。
思わず戦場で経験した苛烈な拷問がフラッシュバックしたランボー。
条件反射で保安官達の所業へお釣りが出るほどの暴力でお支払い!
返す刀で尾崎豊の歌詞ばりに盗んだバイクで走り出す!
もちろん、『行先も分からぬまま』だ!

一方のティーズル一行も理由を置き去りに「帰還兵が保安官を殴った!」と山狩りを開始するものの、ランボーは得意のゲリラ殺法全開のおもてなしを披露。
結果、小さな田舎町は上へ下への大騒ぎの事態に発展するのであった。
意地になった保安官達は警察どころか州兵まで総動員。
あれよあれよと大多数の偏見と悪意に晒され、ランボーの怒りパラメータも比例するように天井知らずの様相を呈する。

敵は推定1000人。
味方は皆無。
今、ランボーの孤独な戦争ロスタイムが幕を開けるのであった。

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田舎警察の塩対応によって戦争状態へ突入する本作。
最近だと日本でも政府から緊急事態宣言が出されて久しいが、 本作はランボー1人に対して州が緊急事態宣言を放つ。
世間的にはランボーといえば痛快丸かじりの爆裂筋肉アクション!をイメージする人が多いだろう。
だが、間違って「どうせ上半身裸でマシンガンをブッ放してハチマキ巻く映画でしょ?」なんて軽く口に出してごらんなさい。

タチの悪いランボー好き(俺とか)に「何もわかっちゃいません!何も!言葉だけじゃねえんだ!」と、本作の吹替モノマネ(cv.ささきいさお)をしながらクダを巻かれかねないので注意して頂きたい。

いわばロッキーが陽とするならば、ランボーは陰。
戦争によって日常に戻れなくなった男の哀しみが胸を打つ。
つまり社会において居場所のない奴、あるいは日常生活に戻れなくなった野郎ほど沁みる映画なんです!ドンドン(机をたたく音)!

事実、序盤の日常パートはは目がトローンとしているランボーだが、怒りを爆発させてからは目つきがキマリまくり。
緑深い山中で山狩りのメンバー1人1人に重傷を負わせるシーンは、もはやホラーだ。
「山では俺が法律だ。」という劇中のランボーが示す通り、彼氏のガチキャン▲(ガチなキャンプ)ぶりに目を見張ってしまうだろう。
間違っても ゆるキャン△とは言えない迫力に満ちている。

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このように平和な日常より、たった一人の極限サバイバルを開始してからのが、ある意味でイキイキするランボー。
結果、「舐めた野郎は許さん!」という姿勢を徹底したおかげで、街を一つ破壊するのだった。

そんな言葉より暴力で語る方法しかない彼が、唯一の理解者であるトラウトマン大佐に何もかもブチまけるラストシーンは本作の白眉だ。
「何も終わっちゃいません!何も! 言葉だけじゃねんだ!俺の戦争は終わっていない! 」と、 誰にも理解されないであろう、使い捨てにされた怒りと悲しみを吐露する。

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この『戦争』の部分を『仕事』に置き換えてみて欲しい。
思わず 日常で使いたくなるセリフである。
何なら今でも使いてえ!
この後の「戦場ではヘリを飛ばし、戦車を走らせた!100万ドルの武器を任された!それがここでは駐車係の仕事すら無いんだ!」と、それまで使っていたM60ライフルをブン投げるムーブも涙なしでは見れない。
ともあれ社会という戦場において、ランボーのように報われない使い捨ての社畜にはビシバシ響くシーンだ。

不要不急の外出自粛を叫ばれる昨今。先行きの不安や人肌恋しく孤独を感じている人も中にはいるだろう。
だが待ってくれ!
一度は自分の心に問いかけて欲しい。
ランボーに比べたら、どうだ!?と。

ソーシャルディスタンス(社会的距離)が開きまくってるぞ!ランボーは!色んな意味で!
そして『例え恋人や友達はいなくても、サイバルナイフ一本あれば何とかなる!』 という、孤独との付き合い方をランボーは教えてくれるはずだ!
ともすれば、ランボーも少しはコミュ力があれば…と思わなくもないが、数に物を言わせて、上から目線で舐めた態度を取る野郎には、例え自分一人でも立ち向かう気合を入れてくれる映画ですよ。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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