こちらのサイトも再三言っているがストリート系のサイトである。
恐らく気合の入った読者の方も挨拶代わりに職質の一つや二つは受けた経験があることでしょう。しかしながら、何故かポリスメンってのは八つ当たり気味に職質を繰り出すパターンが多い気がする。おかげでコッチも意味もなく挙動不審になりがちですが、冷静に考えれば思い当たるフシがない限りはビビる必要はないもんです。
かつて田舎の知り合いのK君も、ある格言を残してましたからね。曰く、「『前科』は三つついてから初めて人前で『前科』といえる」と。その後、懲りずに行方不明になったK君なわけですが(情報求む!)、まあ安心して職質ぐらいは受けましょう!積極的に!
だが例えばである。
この職質してくるのがヒゲ面の凄い顔をしたジェラルド・バトラーだったどうだろう?
俺ならやってもない犯罪を失禁しながら自白してしまうかもしれない。
そんなバトラーが猛烈デカとして迫る!凄い顔で!を描いた映画ーーーそれが2018年に公開された映画『ザ・アウトロー』だ。
カジュアルに強盗が起きる街ーーーロサンゼルス。
今日も今日とて、ガソスタに寄った現金輸送車が強盗団に襲われ銃撃戦が勃発!警備員や警官に多数の被害を出し、まんまと強奪からの逃走を果たされてしまう。
この余りの手際の良さと見事な連携、そして戦闘力。
これは並の強盗ではない。
周りが色めき立つ中、事件現場にある男…ていうかジェラルド・バトラーが乗り込んでくる。
ボロい革のジャケットに第三ボタンまで開けたシャツ。胸からチラ見しているタトゥー。どう考えてもカタギに見えない!
この男こそ、カリフォルニア保安局の刑事—ニック・オブライエンその人であった。
破天荒を絵に描いたような刑事ぶりで、ついたあだ名は『ビッグ・ニック』。のっけから二日酔いで到着し遺留品のドーナツをパクつき、現場に捨てるビッグぶりを披露!早い話がバッジをつけたヤクザであった。だが刑事としての嗅覚と直感はピカイチ。
現場を3分ほど検証したニックは速攻で「犯人はメリーメン一味に違いない!」と目星をつける。
メリーメン一味・・・冷静な元軍人のリーダー・メリーメンを筆頭に、スキンヘッド、サモア系、ドニー(アイス・キューブの息子・オシェア・ジャクソンjr.)そして50セントというストリート系としかいいようのない屈強なビジュアルの猛者が揃った強盗団である。ロスの強盗業界でもブイブイ言わせ、未解決の強盗事件を連発、当局もシッポを掴み切れずにいた。
喧嘩を売るには相当な気合のいる強盗団であるが、ニックの率いるチームも負けず劣らずの『ロサンゼルス版・西部警察』みたいなメンツだ。
ニック団長率いる軍団は早速、一味の新入り=ドニー君をバイト後に拉致・監禁!『アントニオ猪木監禁事件』における梶原一騎ばりに、ホテルの一室でゴリゴリにドニー君を詰めるニックなのであった。
すっかり参ったドニー君は、あれよあれよとメリーメン一味のスパイに仕立て上げられてしまう。一方その頃、メリーメン一味は次なる犯行を計画していた。
それは誰もが成し遂げなかった連邦銀行の襲撃。現金輸送車の強奪も、この大胆不敵な犯行計画のイントロでしかなかったのだ。
着々と犯行の準備を進めるメリーメン一味。
シッポを掴むべく捜査を進めるニック団長率いる西部警察。
果たして勝つのはバッジをつけたヤクザ刑事軍団か、元軍人揃いの強盗団か…
そして板挟みになったドニー君の運命は如何に!?
こうして、ストリートを舞台にしたアウトロー頂上決戦が始まるのであった。
『ジェラルド・バトラーが凄い顔している映画に駄作はない!』な本作。本作でもバトラーが最高にバトラーしている。
攻撃こそ最大の防御を証明した殺り過ぎSP、ショットガンをブッ放すバイカー牧師、フンドシ一丁で剣を振るうスパルタ国王…などなど。
ちょいちょいタフガイ市場に参入したわけだが、本作では実にストリート系な破天荒刑事をダーティに好演。
飲み屋、鉄板焼き屋、シューティングレンジ…いろんな場所に神出鬼没に現れては当てこすりと挑発を静かにメシを食ってるメリーメン一味に繰り返す。
特に剣呑な雰囲気の中、ドニーくんを詰めまくるシーンは俺の母校の放課後のラグビー部の部室を思わせてくれた、 実にトラウマ必至のシーンだ(個人的に)。
最終的には「お前たちは悪党じゃない。悪党は俺たちだ。」と嘯くジェラルド・バトラーに目を見張ってしまうだろう。
観てるコッチに「もうカタギじゃないじゃん!!」と思わせてくれる。
まさに、どっちが悪役なのか分からなくなるジャスティスの行方不明ぶりである。
かと思いきや、ストリッパーに送るはずの「昨日は最高だったぜ♪」というメッセージを奥さんに送って離婚届を叩きつけられるなど、しくじり先生ぶりも披露!それだけに留まらず、家を出た妻のデート現場に泥酔状態で殴り込み、離婚届にサインする泥試合へ雪崩れ込む。
結果、しくじりも当てこすりも黒帯レベルに昇段していくのであった。おかげさまでプライベートがガタガタになりつつ、八つ当たりのように捜査(主に暴力を振るう)に拍車がかかっていくジェラルド・バトラーの顔面および演技は必見だ。
勿論、凄いのはバトラーの顔だけじゃない。
デート相手の親父が50セントというキッズにとっては悪夢のような場面、連邦銀行襲撃までのタダならぬ緊張感、ニック軍団VSメリーメン一味がいよいよ激突する路上サバゲーなどド迫力の場面が目白押しである。
かつてデニーロとパチーノという名優同士が刑事と強盗としてシノギを削る映画『ヒート』があるが、こっちはストリート寄り。
『ヒート』のデニーロとパチーノにはシノギを削りつつ、互いにちょっとしたシンパシーを持っているフシがあった。
だが本作のニックもメリーメンも互いに正義や大義名分なんてもんは微塵も持ち合わせない。
おかげさまで混ぜ物なし、『100%殺意、もう殺りきるしかないさ』精神でゴリゴリにシノギを削るのであった。
そして、それまでの『ヒート』っぽい展開がまるで前フリであったかのような「え!?マジで!?」となる結末をブッ込んでくる辺り、本作は並のアクション映画と一味違う。
スリル・ショック・サスペンスな名探偵コナンムービーの側面が本作にはあるのも見逃せない。
現在、amazonプライムでも無料で見ることが出来る本作。最後にストリートで笑う真のアウトローは誰なのか?思いのほかにヒットしたおかげか第二作も製作が検討されているという…
カタギ以上ヤクザ未満のストリート系の方は是非チェックして頂きたい。
文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot・狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド
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