死のイルミネーション 韓国から血と銃弾と殺意のクリスマス『ただ悪より救いたまえ』

皆さん、クリスマス・イヴと言ったら、どんなものを想像するだろうか?
サンタクロース、町のイルミネーション、ケーキ、クリスマスツリー… マライア・キャリーの『恋人たちのクリスマス』が流れる中、恋人、友人、家族に囲まれながら暖かく過ごす… そういうもんを想像する人が大半だと思う。

だが、待ってくれ!殺伐としたクリスマス・イブに救われる人間だっているんです!そんな俺みたいな人間にピッタリな映画が公開される!!よりにもよってクリスマスイヴに!!
それが12月24日(金)に公開されるゴリゴリのバイオレンス韓国映画『ただ悪より救いたまえ』だ!

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かつては腕利き工作員だったものの、気が付けば殺し屋稼業一筋の男インナム(ファン・ジョンミン)は、ここ日本で必殺仕事人ライフを送っていた。
今日も今日とて日本のヤクザどもを始末、これを最後の仕事として引退をボンヤリ考えていたインナムであったが、そんな彼の耳にかつての恋人が殺害された上に娘が誘拐された!というニュースが飛び込んでくる。
しかも誘拐された娘は今の今まで存在を知らなかった自分の子だという。不運の数え役満みたいな状況ではあるが、考えるより先に行動のインナムは日本を即出国!矢も楯もたまらず、誘拐された娘を奪還すべくタイへ向かう。

一方、始末したヤクザの身内が簡単にインナムの引退を許すはずもなかった。冠婚葬祭の場でありながら、TPOをド忘れしたチンピラファッションに身を包み、復讐を決意する狂犬が一匹。
彼の名はレイ(イ・ジョンジェ)。ヤクザすらもドン引きするナチュラルボーン暴力装置の彼は、よりにもよってインナムが殺したターゲットの義兄弟だったのだ。
おかげさまで、常識の斜め上を行くブラザー精神を発揮!!インナムと繋がりのある人間をサーチ&デストロイしまくり、遂には同じくタイの地へ降り立つ。
事情を知らずに娘を奪還するために奔走するインナム。彼を始末するべく追いすがるレイ。死と暴力を出血大サービスで振りまく門外漢二人に振り回される、タイのマフィアと警察組織。

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殺しの野良犬と殺しの狂犬… 場所が何処だろうが関係なし!死体の山を築きながらシノギを削る二匹。果たして、どちらが生き残るのか?今、地獄のタイ殺戮紀行が幕を開けるのであった。

ファン・ジョンミンとイ・ジョンジェの『新しき世界』コンビが、やめられない・止まらない殺しのかっぱえびせん状態の本作。
異国の地タイを舞台に、死のイルミネーションが炸裂しまくっている。殺意丸出しでシノギを削るのに目を見張ってしまうだろう。実に景気が良い作品だ。クリスマス・イヴに本作を公開する配給会社の気合を勝手に感じてしまう。

思えば『新しき世界』では組織と個人の想いで揺れていたイ・ジョンジェだが、本作では口より先に手が出るならまだいいが、口より先に刃物で刺すスタイル!
殺りすぎに定評のある殺し屋を熱演している。ブレ知らずな一人治外法権状態に目を見張ってしまうだろう。
例えば「なんでここまでするの!?」と聞かれれば「そんなもんは忘れた!」と即答!いちいち立派な理由なきゃ仕事出来ねえのか?という、この姿勢。実に好感が持てる。

よく『好きを仕事に』なんてのたまうフxックなシャバ憎がいるが、本作のイ・ジョンジェを見習ってくれ!
殺す!なんて言わずに殺してるぞ!既に!という… ともあれ、あまりの殺意メーターの振り切りぶりに、いっそ爽やかさすら感じさせてくれれる役柄だ。韓国版ターミネーターとでもいわんばかりに『殴る・刺す・撃つ』と実に奮っている。

西部警察の大門団長ばりのグラサン、隠密性ゼロのチンピラファッションで披露するトゥクトゥク箱乗り銃撃シーンは、あまりのブッ飛びぶりに自然と笑みがこぼれてしまうだろう。

面識すらなかった娘の為に命を張る殺し屋インナムを演じるは、ゲス演技からトレンディな演技まで…もはや出来ない役は無いのではないか?と思わせるファン・ジョンミン。
本作ではワークライフバランスが明らかに崩れた殺し屋演技を披露!やり手であるのは間違いないが、仕事が終われば居酒屋で一人酒を飲むか、家で壁を眺めるしかない。この荒んだキャラ造形はクリスマスを1人で過ごす人間には沁みる(俺とか)!

そんな自分の為だけに殺してきた男が、誰かの為に殺すモードへトランスフォーム!
クソ暑いタイでも喪服着用、車内ペンチ拷問、多数を相手にした殺しの一人だんじり祭り、ダイナミック乗車銃撃…と、イ・ジョンジェが韓国版ターミネーターとしたら、ファン・ジョンミンは韓国版コマンドーのような活躍を見せてくれる。
『ファン・ジョンミンがヤケクソになればなるほど比例して映画は輝く』というセオリーを本作は改めて証明している。

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互いに殺意という名のクソデカ感情をドッジボールみたいにぶつけあった先に待つの結末は何なのか?この韓国から届いた血と銃弾と殺意のクリスマスプレゼントを是非受け止めて欲しい。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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