借金王、ビッチ、不幸の役満人妻…ゲス野郎どものキング・オブ・モンスターズ 大金を前に聖人君子でいられるか?

「どっかに大金落ちてねえかなあ…」
こんな思いを抱きながら家路についてる方はいるだろうか?決まってるじゃねえか!毎日だよ!という声が聞こえてきそうですが、安心して欲しい!

俺もだ!

もう帰り道なんて石の裏とか入念にひっくり返す日々を送ってますからね。わずかな給料で横っ面を叩かれ、心を殺して生きている俺みたいな人間からしたら、ふとした拍子に大金が懐にポン!と入るなんてねえ…
もう見果てぬ夢ですよ!いざ大金が手に入る可能性があろうもんなら、なりふり構わず見苦しさを120%発揮する予感しかねえ!
そんな俺みたいに煮詰まった人間(主に金で)に必見!な作品が劇場公開される。ドリームジャンボな金額が人を狂わせていく群像劇…それが2月19日(金)に公開される『藁にもすがる獣たち』だ!

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カタギ、反社、バイト、経営者、主婦…  明らかに出所がヤバい金にも関わらず、「そんなもん知るか!」とエゴ丸出しで大集合!老若男女、立場を問わず、あれよあれよと人間関係がピタゴラスイッチのように崩壊、修羅場の確変状態が鬼のように継続していくのが主なあらすじだ。

キャッチコピーは「最後に誰が笑うのか?」ポスターでも皆さん実にイイ顔をしているが、なにせ立派な人が誰一人としていない。

おかげさまで思わず笑ってしまうほどの悲惨な展開が連発!話が進むにつれ、エゴとエゴのシーソーゲームならぬ、エゴとエゴが組んづほぐれつのMMA状態を披露!常に誰かが誰かを出し抜こうとした結果、カジュアルに人が死ぬ展開に目を見張ってしまうだろう。

まさにゲス野郎どものキング・オブ・モンスターズの様相を呈している。

日本の作家・曽根圭介の同名小説を韓国風に味付け、実写化したのが本作なわけだが、人間の生々しさ、煮詰まって感情が爆発するモチーフの映画について韓国は一日の長があるなあ!と、本作を観て改めて唸ってしまった。

借金王だけど顔は良いチョン・ウソン、 清々しいほどのビッチなチョン・ドヨン、リアルなバイト感のあるペ・ソンウ、不幸の役満人妻を演じるチン・ギョン、暴力度の高い韓国のケンワタナベなチョン・マンシクなどなど・・・ 実に豪華なキャストではあるが主役は人間ではなく、あくまでボストンバッグに詰まった金だ。

タランティーノ映画ばりに金を中心に人間関係が目ぐるしまくシャッフルしていく。タラちゃんとは全然友達ではないが「あいつ好きそうだな!」と何となく思わせてくれる作品である。

そして俺も職場で上司に絶賛ガン無視されている現状を考えると、作中の彼らのように明日の食い扶持に困る可能性は大いにある!と戦慄したのだった。
全然他人事じゃねえなあ!おい!と。まかり間違えば、金配りおじさんのツイートをバンバンリツイートし、オンラインサロンを通してえん〇つ町に引っ越しを検討していたかもしれん。

頼る者がなく、八方塞がりになれば、プライドを捨て怪しいもんにすがりたくなる人の気持ちを完全に否定できない。かれこれ貧乏生活が長い俺なら分かる!電気・ガス・水道止まっても、誰も助けてくれなかったからな!まあ、俺の貧乏エピソードはどうでもいいや!

えー、話を戻しましょう。

金の大事さを説教されたら「知ってるよ!この野郎!」と頭をひっぱたきたくなるが、反面、金の怖さを教えてくれる人はなかなかいない。劇中で描かれる倫理観を投げ捨てた人間の浅はかさ、滑稽さ、皮肉な顛末に目を見張ってしまう。もう何なら学校の道徳の授業で流してもいいんじゃなかろうかと思わずにはいられない。

「果たして大金を前にして俺は聖人君子でいられるのか?」と個人的に揺さぶられた本作。

自分を含め、誰しもが『藁にもすがる獣フレンズ』になりうる。そんな怖さに背筋を寒くしてほしい、ブラックユーモア満載のサスペンスですよ。

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©曽根圭介/講談社

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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