ワニは100日後、ステイサムは余命0日 バカか、イカレた野郎しか出てこない最強暴力映画『アドレナリン』

ジェイソン・ステイサムの映画で一番面白い映画は何だ!?

そんなもん決まってんでしょ!全部だ!!

…と、答えていく数年。そう答える9割の理由はイチイチ他人に説明すんのがズバリ面倒くせえからなのだが、「一番暴力的な映画は何だ!?」と聞かれたら即答できる作品がある。

それが『アドレナリン』だ!

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「アドレナリンを出し続けなければ死ぬ!」という、非常に回りくどい毒薬を打たれた殺し屋ステイサムが自ら延命すべく奔走するのが主なあらすじである。アドレナリンを出すとなったら、そりゃあもうSEX!ドラッグ!ロックンロール!しかないわけで、全編これ暴力!

最近だとワニが100日後に死んで感動を呼んでいたが、向こうはまだいい。

何せ本作のステイサムは余命は0日だ!

そりゃあ、なりふり構ってはいられない!!

おかげさまで死なないためにステイサムがドラッグをキメまくり、挨拶代わりに誰かをブン殴るのであった。

まあ、どちらも生きる切実さを描いている意味では同じだ!・・・多分!!

ステイサム主演の映画は基本的に暴力で物事を丸く収めるのが常だが、おかげさまで本作は解決どころか食い散らかしたすき焼き鍋のような状況を引き起こしていくのであった。

タフでクールというのが誰もが思い描くであろうステイサムのイメージだが、彼氏が繰り出す全力ハイテンション演技に目を見張ってしまうだろう。
なんとなく、イントロなしでジャーンと演奏が始まるラモーンズの楽曲を思わせる。 

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ともすれば出オチみたいな設定ではあるが、頭からシッポまで異常なテンションで突っ走るのが本作の大きな魅力だ。

更に出てくるキャラも、どこを切っても清々しいバカか、イカレた野郎しか出てこないのも実に素晴らしい。  

作品全体のブレーキが壊れたとしか言いようがないヤケクソな迫力が満ちている。

例えば、こうだ。

便所の地面にブチ撒けたコカインを必死に吸引、イオンみたいなモールに車で突っ込む、敵のぶった切った腕を雑に投げて放つステイサムジョーク「手を貸してやる」、ケツ丸出しの病院着のままバイクで爆走しシャレオツなカフェへ突っ込む、映画史上初であろうXXXされながらの銃撃戦&カーチェイス、中華街のど真ん中で彼女をXXXで突きながら「俺は生きてるぞー!」と叫ぶ…などなど、ステイサムのアッパーな模写が連発!

かつて『世界の中心で愛を叫ぶ』という余命僅かな登場人物を描いた恋愛映画があったが、本作は余命が限りなくゼロに近いステイサムが中華街の中心でXXXしながら自らの生を叫ぶのであった。

改めて、こう字にしてみても色々どうかしている作品である。

死に直面する映画といえば、今までの人生をしおらしく振り返るもんだが、そんなもんはない!本作には!

否!反省している暇がない!

終盤、「ちょっとどうなのよ、あんたの人生!?」と自分の幻覚に言われようが「そんなもん知らん!」と逆ギレ!

「許せない奴らへ落とし前をつけなければ、死んでも死に切れん!」と修羅場に乗り込んでいくのであった。

この「死ぬなら前のめり!」な姿勢はどうだ!?

これはこれでポジティブといえるのではないだろうか。

人間、生きていると反省はつきものだが、本作におけるステイサムの反省ゼロっぷりは、見てるコチラに根拠のない明日への活力を与えてくれる。

しかし、ただただヤケクソなだけの映画かといえば、そうでもない。

終盤、上空1,000m位で(どういう状況だよ!)「こりゃ死ぬなあ…」となり恋人に電話するも留守電!

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普通であれば最後ぐらいは情けで電話が繋がっても良いようなもんだが、例え自分が死のうが世の中はいつも通り回っていくのを察し、満足げに落下していくステイサムなのだった。

このようにラストにはちょっとした切なさもある。

人の生き死にを扱った映画で切なさをゴリ押しされたら「ちょっと他の店、行きますね」と、思わず会計を済ませたくなるが、本作のように9割暴力だからこそ、1割の切なさがキラリと光る。

映画において余命がないと分かると、諦めて自分の人生をしおらしく振り返り自らの運命を甘受しがちだが、本作は違う。

カッコよさやモラルなんてものもない。

余命がゼロだが反省もゼロ!

1分1秒でも生き延びようと奮闘する。

まあステイサム以外の人はいっぱい死んでるけども!

「オマエだけだよ!」と言われるかもしれんが、やはり映画の中で描かれるヤケクソな暴力は見ていてスッキリする。

マジメな人は眉をひそめる作品かもしれんが、あえて言わせてほしい。

世の中には人が死ぬ映画で救われる人間もいるんです!

おかげさまで続編を作るには相当無理があるラストであったが、掟破りの続編『アドレナリン:ハイボルテージ』も製作。

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こちらの作品も『アドレナリンを出さなきゃ死ぬ!』が『電気を充電しなきゃ死ぬ!』に変わったものの、本作以上に不謹慎に輪を掛け、更に冗談みたいに人が死ぬのであった。

ステイサム作品でも珍しい安心のR-18作品なので是非チェックして欲しい。

ともあれ、自らの死の運命に中指を立てる、ゴキゲンなポジティブバイオレンス映画ですよ。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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