こと映画においてクラシックな作品と聞くと、気後れする人も中にはいることであろう。今の時代に合わんだろうし、周りのムカつく評論家気取りの人から名作扱いされてるしなあ…と食指が動かないのも分からなくはない。
かくいう俺も「俺はストリートな映画育ちだ!!格調高いもんなんて知るかよ!」と先入観で敬遠していた作品がゴマンとある。
だが!本当にそうなのか!?
もしかしたら俺は先入観ありきのフxック野郎になってるんじゃないの?と。
せめて、先入観なしのフxック野郎でありたい!
…という訳で、今回は「たとえリアル世代じゃなくても痺れるもんは痺れる!」と改めて俺に教えてくれた映画『さらば友よ』を御紹介しようと思います。
クリスマスを控え、大企業の金庫へ裏工作を図るアラン・ドロンの前にブロンソンが現れた!というのが大まかなあらすじの本作。
押しも押されぬ美男子っぷりが120%のアラン・ドロンと、男臭さ120%のチャールズ・ブロンソンがシノギを削っている今から53年前の作品だ。
当時のポスターを見るとドロンがブロンソンに火を点けているゲキ渋なビジュアルに気圧される人もいるかもしれん。だが実際は二人が真面目な顔でチャイルディッシュな悪戯を互いに仕掛けていくのであった。
終始クールっぷりを崩さないよう振る舞うアラン・ドロン、「磯野ー!野球しよーぜ!」とサザエさんにおける中島くんばりの押しかけブロンソンに目を見張ってしまうだろう。挨拶代わりにブン殴るなど互いにワンパクっぷりを発揮するものの、いい歳した二人のキッズ感溢れるやりとりは実に微笑ましい。
そんなこんなでワチャワチャした結果、空調の効かない密室に野閉じ込められてしまう野郎二人。ともすればギャルゲーみたいな展開だが、これを上裸のアラン・ドロンとブロンソンがやっているのだ。
面白くないはずがないじゃない!
おかげさまで野郎同士の濃厚なやりとりが披露される。
やることなすこと裏目に出るドジっ子属性のブロンソンと、ツンデレ属性が極まったドロンのキャラは、今なら同人誌でも描かれる勢いだ。
こう聞くと「いや、どんな映画だよ!」と言われるかもしれんが、俺もそう思う!
だが本作は、ただの変な映画で終わらせない。
前半のしょうもなさ溢れるやりとりあるからこそ、終盤のアラン・ドロンとブロンソンが披露するブラザー精神がキラリと光っている。ズッ友やら親友やら、関係性を言葉にすると安っぽさが5割増しになるもんだが、本作は違う。
たとえ自分がパクられようがチクらないブロンソン、当局へブロンソンは現場にいなかったと全力でスルーするドロン。
この言葉ではなく態度で互いにブラザー精神を示す姿勢は、今の世でも見習うところが多い。痺れまくりのラストシーンだけが語られがちであるが、前半のやり取りを見届ければ更に味わいが増すだろう。
カッコ悪さやダサさがあるからこそ、ここぞという時にカッコよさが底光りする。そんな時代を超えたバイブスがここにある。
鑑賞する機会があれば、是非劇中のドロンとブロンソンのように「yeah!」と叫んでほしい。
文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot・狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド
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