「15分だ。ただの三角」 デニス・ロッドマン、実は天才だった説

「15分ぐらいで学んだよ。何も難しい事はない。ただの三角だよ」

NBAに新たな攻撃スタイルを確立した攻撃システム“トライアングル・オフェンス”。90年代のシカゴ・ブルズを最強の座に君臨させたシステムについて“神様”マイケル・ジョーダン、“史上最高の二番手”スコッティ・ピッペンとともにチームの中心人物だった“悪童”デニス・ロッドマンが振り返っている。

ESPN/YouTube

トライアングル・オフェンスについてはフィル・ジャクソン監督が積極的に使用したことで知られるが、実は彼の隣りにいたアシスタントコーチのテックス・ウィンターが開発したということを知る人は少ない。

ブルズにコーチとして加わった若かりし頃のフィルが師匠としてあがめたウィンターは、30年間大学バスケットボールのヘッドコーチを務めた後、アシスタントコーチに就任。彼の編み出した攻撃システムがブルズを6度のNBA優勝に導いたと言っても過言ではない。

「ロン・ハーパーがボールを運んで来たら、オレが左のトップウイングをカバーする。ここでジョーダンをよく見ろ。オレの後ろをついて来ながらポストアップ。これでトライアングルが完成するんだ」と語るロッドマン。奔放で派手な私生活や荒々しいリバウンドをはじめとするディフェンスの名手として語られることの方が多いが、実はとても頭がキレるオフェンシブプレイヤーでもある。チームメイトの長所や傾向をしっかりと把握し、トライアングルを最も上手く活用した1人だ。

Javier BF/YouTube

「3Pシュートをまったく打たないオレにディフェンスがつくと、ボールをもらいにトニー・クーコッチがウイングに寄ってくる。その時点でジョーダンをマークしてたディフェンダーが離れるから、あとは簡単さ。ジョーダンにボールを放り込めばいいだけ」と、お互いを信頼し合うからこそ、最大限に活用できるとロッドマンは解説する。オフェンスでの自分の役割はシュートを打つことでなく、周りをどれだけシュートしやすいポジションに配置するかなのだ。

「このプレイではダブルチームでデニス・スコットを追い詰める。リバウンドを取るのは誰だ? オレに決まってるだろ。リバウンドを取って必ず最初にするのが、ドリブルしてアウトサイドにパスを出すこと。世界中でオレぐらいじゃないか、ピンポイントにパスを出せるのは。あとは“神様”にお任せさ」と、トライアングル・オフェンスとはまったく関係ない話もしているが、そこはご愛敬。

「スティーブ・カーが間を走ってベースラインのスペースを埋める。これでトライアングルが完成。ポストにいるオレがパスをもらったら、カーがビル・ウェニントンのディフェンスにピックをかける。ビルがフリースローラインからフリーでシュート」と詳しく解説するロッドマン。問題行動ばかりが取りざたされる彼が、ここまでシステムを理解しているとは正直驚きである。“トライアングル・オフェンス・マエストロ”と呼ばれる理由も納得だ。

トライアングル・オフェンスが優れている点は、形が崩れてもまたすぐに新しいトライアングルが作れることだというのがロッドマンの説明でよく分かる。3ポイントシューターや個人プレイに頼りがちな現在に喝を入れているようにも聞こえる。

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