冗談みたいに人が死ぬか、最終的に拳で決着をつける2019年ベストムービー

「映画を観る理由は何だ!?」

と聞かれたら、「そりゃあ、ヒマだからですよ」としかいいようがない。
そういう意味で言えば「今年はかなりヒマだったなあ…」と我ながら気が遠くなる。

いや、今年に限った話ではない。
毎年ヒマだった!!
それはさておき、『いかに俺がヒマだったか』を証明する2019年のベスト映画を発表させて頂こうと思いますよ。

1.『ワイルドスピード/スーパーコンボ』 
2.『ザ・バウンサー』
3.『大脱出2・3(同年公開)』
4.『トリプル・スレット』
5.『ジョン・ウィック:パラベラム』
6.『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
7.『6アンダーグラウンド(Netflix)』
8.『イップ・マン外伝 マスターZ』
9.『ターミネーター:ニュー・フェイト』
10.『無双の鉄拳』

冗談みたいに人が死ぬ映画 、あるいは最終的に拳で決着をつける映画ばっかじゃねえか!

他にも色々あっただろ!
「アベンジャーズ/エンドゲーム」とか「ジョーカー」とか「スター・ウォーズ」とか!

なんというか全然アテにならないベスト10としか我ながらいいようがない。
ともすれば俺もいい年なので『気の利いた映画の一つや二つ観ろよ』と言われるかもしれません。
だが敢えて言わせて頂きたい。
映画はオシャレやアクセサリーじゃねえんだよ、と。
たとえ他人からバカと言われようが、ここで退けば俺は俺でなくなる。

…という訳で、今回は花の慶次にて百姓踊りを披露した家康ばりに「1人ぐらい自由な奴がいたっていいじゃないか」精神で勝手にご紹介させて頂きます。

まず10位の『無双の鉄拳』ですが、こちらの作品は『舐めてたマ・ドンソクが、やっぱりマ・ドンソクだった』映画。
とぼけたマドンソクが喧嘩屋へトランスフォームする様は必見!
外道への鉄拳制裁ぶりが気持ちいい、年末年始に見るにうってつけの一本。
マドンソクに求めるものが全てあるといっても過言ではない作品です。

COPYRIGHT ©︎2018 SHOWBOX, PLUSMEDIA ENTERTAINMENT AND B.A. ENTERTAINMENT ALL RIGHTS RESERVED.

9位の『ターミネーター:ニュー・フェイト』はSF映画としては賛否両論だったかもしれませんが、SF(schwarzenegger fiction)映画としては満点の映画でした。
もう「T800というより、リアルなシュワじゃねえか」としかいいようがないとでもいいましょうか。
色々やったものの、最終的にバカでかい全自動洗濯機の前でガチンコの殴りあいな終盤もポイントが高い。
特に、それまでT800に塩対応をかましまくったサラ・コナーが、いよいよ大ピンチの刹那、「カール!」と人間としての名を叫びシュワが再起動するシーンは少年漫画のような熱さでした。

©︎2019 Skydance Productions, LLC, Paramount Pictures Corporation and Twentieth Century Fox Film

8位の『イップ・マン外伝 マスターZ』は、『一度敗北を味わった男が再び立ち上がる』映画。
イップマン3にて敗北を喫した詠春拳の使い手である張天志を再びマックス・チャンが演じる、本家に負けず劣らずの外伝作品です。

どう見てもカタギに見えないレストランオーナーのバウティスタ。
久しぶりにも関わらずキレのあるカンフーを繰り出すミシェル・ヨー。
脇役ながら美味しいダークヒーローっぷりを披露するトニー・ジャー。
スピンオフをド忘れした脇役の豪華さに思わず目を見張るでしょう。
だが、何と言っても主演マックス・チャンのカッコよさがトップクラス。
「英雄になる為じゃない。お前を倒すために来た」とブチ上げ、ラストではいよいよ封印した詠春拳を開放し「詠春拳、張天志」と名乗るシーンは2019年でもトップクラスにカッコいい自己紹介シーンでした。

©︎2018 Mandarin Motion Pictures Limited All Rights Reserved

7位の『6アンダーグラウンド』は、『面白半分で人が死ぬ』映画という点では、今年一番と言っても過言ではないかもしれません。

誰かに気兼ねしない製作スタイルをNetflix配信で実現したマイケル・ベイの気合が炸裂。
「笑えばいいのか引けばいいのか分からないけど、面白いのは確か」という、観るというよりキメる映画になっております。
コンプライアンスや命の大切さが叫ばれる昨今、映画とは言え「ここまで人が死ぬか」と思いつつ、爆笑できる不謹慎かつアッパーな映画体験が出来るでしょう。
いわば見えないところでイケない薬をキメるような擬似合法ドラッグ体験を是非自宅で試して頂きたい。

Netflix

6位の『ゴジラ・キングオブモンスターズ』は、とにかく『人類も怪獣も全員ヤケクソ』な映画です。
おかげさまで怪獣も人類もバンバン死んでいく景気の良さ。
舐められたら終わりといわんばかりに喧嘩を売りまくる男家業一筋のゴジラには思わず頭が下がります。
特にケン・ワタナベの闘魂核ビンタで叩き起こされブチギレるゴジラの姿は必見。
メルトダウン寸前になりながらキングギドラ討伐に赴くゴジラを評した「ケンちゃんが気合を入れすぎた!」というセリフがしばらく耳から離れませんでした。

そんな訳で前作でチラ見せグラビアレベルの怪獣模写でしたが、今回はいわばゴリゴリの乱交AV(2枚組)レベルにパワーアップしておりました。

©︎2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved.

5位の『ジョンウィック・パラベラム』は『キアヌの殺人かくし芸がキラリと光る』映画でした。
まさに年末年始に家族で見るにはピッタリと言えるのではないでしょうか。多分。
人間だけでなく馬や犬までも人を殺す、第三次スーパー殺し屋大戦の様相を呈しています。

シリーズの第三作目の本作ですが、このまま続けばジョン・ウィックが人類の過半数を殺すしかないレベルに到達しかねない。
そう思わせてくれます。
特にザ・レイド組(ヤヤン・ルヒアン、セセプ・アリフ・ラーマン)を相手にしたハンディキャップマッチは本作の白眉。
シラットVS柔術のハンディキャップ異種格闘技戦は、イントロから見てるコチラのテンションも自ずと上がる大一番となっております。

®︎, TM & ©︎2019 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.

4位 の『トリプル・スレット』 は挨拶代わりに素手ゴロが連発する『肉体言語の国際サミット』映画です。
殴る・蹴る・撃つ・メシを食うという人間の4大欲求を満たしてくれるアクション映画の満漢全席を最も体が動くオールスターでお届けしています。なかなかレンタル屋の新作コーナーでしか見かけないアクション馬鹿達が、己の五体をフルに使い普通の2Dスクリーンで覇を競う姿は、レーザーIMAXや4DXを超える感動を与えてくれました。CGが全盛の昨今。ここまでスタントだけで魅せてくれる映画は中々ないでしょう。

主人公のトニー・ジャー、イコ・ウワイス、タイガーチェンも素晴らしいのですが、何と言っても悪役のスコット・アドキンス。ついでレベルで警察署を潰す大殺戮を敢行するなど荒れに荒れ狂い、最後はジャーとイコ相手に十八番の高速回転蹴りを殺気と共に放つ姿は俺を震えさせてくれました。
最近ではNHKのBSドキュメンタリーに出演し、アクションジャンルへの愛を語ったアドキンス。来年は来るかもしれません、アドキンスの時代が。

©︎2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED

3位の『大脱出2〜3』は我らがスタローンが『インテリ設定をド忘れし拳と勢いで突破する映画』です。ていうか2〜3って2本入ってるじゃねえか、おい!という声が聞こえてきそうですが、まさかの年内で2本上映という異例の上映スケジュールでファンを仰天させた作品。

…という訳で敢えて一つの作品としてカウントしています。まず2ですが、この作品の衝撃は忘れられません。何せオニギリを食おうとしたら電気が流れる人権無視のハイテクなムショをスタローンが力任せで脱獄するのです。通常であれば気の利いた脱獄をしようもんですが、スタローンはシステムをダウンさせ全員でデカい扉を「よし!みんな押せ!」と強引に寄り切り。この勢いに観客全員が唖然とする中、黒幕とタイマンの素手ゴロを繰り広げ、スタローン監獄クラッチでトドメを刺したのでした。気の利いた映画ばかり見ていたおかげで、この展開は頭をブン殴られたような衝撃を俺に残してくれたのは言うまでもない。

そして返す刀で公開された3。もはや脱出という、そもそものテーマをド忘れしスタローンがムショへ殴り込み!ゲスト枠のマックス・チャンが前髪をセクシーに振り乱しカンフーを繰り出しかと思えば、スタローンは負けじと鬼気迫るランボー殺法を披露!しまいには黒幕相手に「オヤジが好きか!そうか!俺のオヤジは酒浸りだった…」から手加減なしのパンチの連打を開始。スタローンによる拳の自分語りは、話が通じない恐怖を改めて我々に教えてくれたのでした。

そして2〜3のキャッチコピーも実に奮っている。『地獄からの挑戦状』『卑劣な悪党に怒りの鉄拳を叩き込め!』それぞれ男なら思わず声に出したい日本語としか言いようがない。

©︎2018 GEORGIA FILM FUND 63, LLC All rights reserved.

2位の『ザ・バウンサー』はジャン・クロード・ヴァン・ダムの悲哀演技がシリアスに全振りした『ハートに開脚キックを決めてくれる』映画。ここまで上げてきたベストの中で一番「映画」として手堅く成立しているのが本作。まさかヴァンダムが、この枠を担うとは夢にも思いませんでした。

ヴァンダムといえば開脚するか尻を出し、近年では己の悲哀を笑いに昇華していたが、本作ではシリアス演技に遂に結実!闇社会へ落ちていくシングルファザーの用心棒の悲哀を自虐的な笑いや安易な開脚キックなし、終始死んだ目で演じています。他の作品を引き合いに出すのは恐縮だが、ジョーカーのホアキン・フェニックスに負けず劣らずの哀愁を放つヴァンダムの演技。何なら白塗りなら『ユニバーサルソルジャー殺戮の黙示録』で先に披露してますからね、ヴァンダムは。決してジョーカーにも引けを取っていなかった!俺の中で!そんな無意味なヴァンダムマウント取りたくなる作品です。

だが!何が悲しいって、この作品は一日一回、一週間しか上映されなかった点でしょう。それまでのヴァンダムの作品の出来を考えれば当然といえば当然なのかもしれませんが、例えまぐれだとしても、この意欲作をもっと多くの人にスクリーンで見て欲しいなあ!という気持ちがあったのは言うまでもありません。

幸いにも電光石火の早さでDVDのみが発売。この御時世にBlu-rayが無いのが実に悲しい限りですが、是非ヴァンダムという俳優を半笑いで済ませる人にこそ見て欲しい作品です。

©︎2018 -CHEYENNE -LABYRINTHE FILMS -ATCHAFALAYA FILMS -UMEDIA -RODIN ENTERTAINMENT -10.80 FILMS -C8 FILMS -PROXIMUS

そして1位の『ワイルドスピード /スーパーコンボ』は『最強ハゲコンビの筋肉式サマーウォーズ』映画。ワイルドスピードのパワーバランスを良い意味でも悪い意味でも崩したロック様とステイサムの2人が、いよいよマッスルドッキング。「盆と正月が一気に来る」という言葉の意味が分かるのではないでしょうか。

右を見ても左を見てもスキンヘッドという異常事態に目を見張ってしまいます。更に敵は改造人間イドリス・エルバ。こんな人間を超えた相手をどう倒すのかと思いきや、まさかの真正面から素手ゴロを挑むんですよ‼︎ロック様とステイサムの姿が!小細工なしでパワーにはパワーをぶつける、この姿勢から根拠のない明日への活力を頂いた方も多いんじゃないでしょうか?

そうか!俺だけか!とにかく、スーパーコンボという邦題を黙って頷かせる説得力が確かにあった作品なのは間違いない。ワイルドスピードの外伝ではありますが、もはや本作は先にスピードの向こう側に行った感がありました。「オマエ結局ステイサムかよ」と言われるかもしれませんが、その通りだ!個性強すぎなキャストのコンボぶりも去ることながら、観た後に「観たな!何かを!」と爽やかに思わせる、お話の景気の良さにおいても1位とさせて頂きました。

©︎Universal Pictures

いずれの作品も話の整合性は置いといて(置くなよ)劇中の瞬間最大風速のデカさについては折り紙つきな作品ばかりです。思えば、2019年は『職場をバズーカで吹き飛ばしてえなあ』と思うのが一度や二度ではありませんでしたが、そうした思いがベスト10へ如実に表れているなあ…と。
何なら職場を爆破して逮捕されずに乗り切れたのは、観た映画のおかげと言っても過言ではないかもしれません。そういう意味で言えば偉そうにランクづけはしたものの、どの作品にも恩がある。
2020年も恩を忘れず…ていうか逮捕されないよう乗り切ろうかと思います。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

TAGS