「ヒカルの碁」が突然、「魁!男塾」になる 囲碁ときどき暴力『鬼手』

囲碁と聞くと皆さん何を思い浮かべるだろうか?
おそらく知的なゲームを頭に思い浮かべる人が多いでしょう。
だが盤面の決着だけで話が収まらない状況があったとして、勝敗を決めるのは果たして何か?

そう、拳ですね。

頭の回転の速さだけでは生き残れない。
逆もまたしかりで腕力の強さだけでも生き残れない。
漫画『嘘食い』でいうところの『知』と『暴』を兼ね備えた者だけが生き残れる!
そんな「時には拳が必要だ!」という実にアグレッシブな囲碁の世界を描くのが8月7日(金)に公開される『鬼手』だ!

株式会社ツイン/YouTube

山奥の廃寺にて人知れず少林寺スタイルで囲碁と格闘技を磨き、気が付けばすっかりマッシヴになったクォン・サンウ。
そんな彼が満を持して下山!
今は亡き師匠、そして姉の無念を晴らすべく、囲碁ときどき暴力で因縁の敵にお礼参りを始める!
…というのが本作のあらすじだ。

冷凍室で上裸で囲碁を指しつつ殴りあうというバイオレンス囲碁(!?)映画の決定版「神の一手」の暖簾分け作品なのだが、どうかしているシチュエーションは本作でも健在。

掘っ立て小屋の壁越しに大地康夫似の師匠と繰り広げるエア対局の際、自らの血文字で盤面を描くなど、鬼気迫る碁力に説得力を持たせている。
主人公の成長と棋力をじっくり描き、結果、少年は立派なクォン・サンウに成長するのだが、もちろん敵も一筋縄ではいかない。

なんと一発目で対局を繰り広げるのが霊能力の使い手!
え?マジで!?と思ってる間もなく、前代未聞のオカルトイタコ対局が始まってしまう。
しかも負ければ片腕を切り落とされるというペナルティつきだ。
そんなアッパー過ぎる対局は留まることを知らず、チキチキ線路対局、熱々バーニング対局、そして極真ばりの百人対局とエスカレート!
魁!男塾ばりにトンチの利いた対局に目を見張ってしまうだろう。
「ヒカルの碁を読んでいると思っていたら、気が付いたら魁!男塾になっていた!」といえば、俺の動揺が伝わるだろうか?

ともすればウケを狙ってオフザケに振り切るのも可能であろうが、本作の演出自体は至って真面目だ。生きるか死ぬかの勝負師の世界を囲碁と拳で描いている。

主演は、かつて韓流ブームに乗りドラマ『天国の階段』にて、お茶の間の奥様達の黄色い声をカツアゲしたクォン・サンウ。
奥様だけに留まらず、『コクリコ坂から』と『ドラゴン怒りの鉄拳』をドッキングさせたような映画『マルチュク青春通り』で主演を張り、それまで「仲良くなれねえなあ…」と、ひがみたっぷりのポテトボーイ(俺とか)の黄色い声すらもカツアゲしたのだった。

おかげさまで本作では久しぶりにドラゴン精神が炸裂!
路地裏ナイフバトル、集団便所バトル、熱々焼却炉バトルなど囲碁の対局同様、拳の対局もエスカレート。

「これは囲碁の映画です」と言ってもニワカに信じられないほどのスタントを本作ではこなしている。

正直、今の今までクォン・サンウが心にブルース・リーを飼う男なのをスッカリ忘れていたのだが、まさか再び俺たちの黄色い声を本作でカツアゲしてくるとは夢にも思わなかった。
更に9月には元暗殺者にして漫画家という瓢箪から駒な作品「ヒットマン エージェント:ジュン」の公開も控えているクォン・サンウ。
本作『鬼手』しかり、一筋縄でいかない作品に出演している彼から今年は目が離せない。

他人にあらすじを説明しても「いや、どんな映画だよ!」と思わせる作品だが、出オチで終わらずに走り切る本作。

俺の男子高校だけの話かもしれんが、囲碁部と言えば地味なメンツしかいない偏見が正直あった。
だが、これからは囲碁部出身と聞いたら本作の囲碁だろうが喧嘩だろうが向かうところ敵なしのクォン・サンウを思い出してしまうだろう。

皆さんも舐めないようにしましょう!囲碁部を!

・・・・という訳で、観てても囲碁のルールはズバリ分かんねえが「なんだか分からんが凄いことが起きている!」と見る者を震えさせる、エクストリーム囲碁バトル映画ですよ。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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