倫理的にどうかと思うが面白い 監督が正気じゃないキマる映画『6アンダーグラウンド』

ハイになりてえなあ…

日々生活していると、そう思う方も中にはいるでしょう。ていうか俺は思ってます。ほぼ毎日!

…とはいうものの、中々おおっぴらにハイになれないのが今の世の中だ。
いよいよ法でも破るか!と思っていた矢先、見ただけでハイになれる映画が配信された!

観るというよりキメる映画ーーそれがNetflixで配信された『6アンダーグラウンド』である。

Netflix Japan/YouTube

ハイテク億万長者、口より先に銃をぶっ放すCIA、ブッ飛びヒットマン、命知らずのパルクール野郎、いきなり流血顔射を食らう医者 、ベイビーなドライバー、男気がストップ高のスナイパー・・・

国籍や性別もバラバラ。名前や過去を消した個性豊かな必殺仕事人たち。
それぞれを1~7と番号で呼び合う彼らが、並外れたボランティア精神でゴリゴリの独裁国家を潰すべく動き出す!というのが主なあらすじである。

このように、そこら辺を歩いてる人に20秒位で説明できる親切設計のあらすじだ。

だが、いざ蓋を開ければ息継ぎなしの爆破、銃撃戦、カーチェイスが画面狭しと展開!
誰かが軽口を叩く度に爆発が起こり、冗談みたいに人が殺されるのであった。

人の命が紙より薄い様相を呈し、あれよあれよと死体の山が築かれていく。
人としての良識が叫ばれる昨今。例え悪人だとしても、ここまで一山幾らで死にまくる映画も珍しいのではなかろうかと目を見張ってしまう。

しかし、どうかと思うほど面白半分で悪人が死ぬおかげで、いつしか見てるコチラの倫理観も徐々にリミッターが解除されハイになっていくアッパーな作品である。

真面目な人なら初手からバッドトリップをかますかもしれんが、ハマれば約2時間ガンギマリ状態を体感出来る。

監督は泣く子も漏らすマイケル・ベイ。

ハリウッド映画界の橋本真也と言わんばかりに『破壊王』の名を欲しいままにするフィルムメーカーだ。

最近ではトランスフォーマーシリーズで知られる彼氏だが、思えば同シリーズも作品を重ねるごとにロボットSFという名目で隙あらば残虐ファイトを次々と展開。

もし人間であればR-18待ったなしの凄みをスクリーンに叩きつけてきた。
例えビッグバジェットな作品だろうが、小品な作品(それでも製作費100億ドル)だろうが、関係なし。

そのブレ知らずのハードコアな作家性で時に我々観客を戦慄させ「倫理的にどうかと思うが面白い」という唯一無二のスタイルを確立してきた。

ベイ監督作を見る度に「果たしてマイケル・ベイは正気で撮ってるのだろうか、コレを…」と、俺の中でも毎回疑問であったが、本作を見て改めて確信した。

うん!正気じゃねえな!と。

なんせ本作も冒頭から隠密な作戦のはずなのにライムグリーンのアルファロメオが街を爆走するのだ。

しかも車の中で手術しながら!

見るものが合法でハイになれる映画と上述したが、おそらく観客より監督であるベイが一番キマッている。

そう言いたくなるほど、本作ではマイケル・ベイは自らのやりたかったであろう演出を遠慮なしの豪速球で放ってくる。
彼が監督した最もトチ狂った名作『バッドボーイズ2バッド』に勝るとも劣らない、正気を疑う映画だ。

本作にて、水を得た魚ならぬ、ネット配信を得たマイケル・ベイ。おかげさまで近年稀に見る手加減なしのやりたい放題ぶりだ。

事実、本作のイタリアロケの際、「あなたの街を吹っ飛ばさなければいけない」と市のお偉いさんにブチかましたという。了承したお偉いさんも凄いが、こんなセリフを放って通すベイの並々ならぬ気合が伺える。

まさに男の中の男である。

また絵面の強さで霞みがちだが、本作のドラマ性も見逃せない。

尋常じゃない状況(主に人がバンバン死ぬ)に追い込まれながらも、命を預け合う関係性を描くのはマイケル・ベイの真骨頂。
最初は互いを数字で呼びあうドライな彼らが、いつしか死線を乗り越えながらチームとして結束していく様子はグッとくるものがある。

主演は人が死んでも平気でジョークを放てる俳優=ライアン・レイノルズ。

本作では誰もが羨む億万長者ではあるものの、月に行くためにロケットを作るなんてヤボはしない。ましてやフォロワーに100万を配るなんてこともしない。

全財産を独裁国家を潰す為にオールイン。

更に金だけ出して口を挟むなんて野暮はしない。
自らも最前線に乗り込むリーダーを好演している。

主演作デッドプールを経て、自らのキャリアさえ笑い飛ばす稀代のヤケクソ俳優として完成した感があるレイノルズ。

そんな彼がメジャーでありながらハードコアなマイケル・ベイとマッスルドッキングするのは必然だったのかもしれない。

本作は配信のみなのが悲しい限りだが、確かにデカいスクリーンであればオーバードーズを起こしかねない作品だ。

配信だからこそ成立したであろう、むき出しのマイケル・ベイ映画を是非キメて欲しい。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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