警察と刑務所のない未来へ 膝つき抗議の“信念の男”キャパニック、書籍を発売

かつてNFLサンフランシスコ・49ersでクォーターバックとして活躍、国歌斉唱時に人種差別に対する“膝つき抗議”で物議を醸し、現在はアクティビストとしても活動しているコリン・キャパニックが、『ABOLITION FOR THE PEOPLE: THE MOVEMENT FOR A FUTURE WITHOUT POLICING & PRISONS(原題)』と題した本を出版する。

タイトルは「人々のために廃止を:警察と刑務所のない未来へ向かっての活動」という意味で、昨年起きたジョージ・フロイト氏死亡事件等を引き金に全米で高まっている警察組織解体論、さらには刑務所廃止論を唱えるラディカルな内容となっている。

キャパニックがTwitterで明らかにしたところによると、この本には30人以上の専門家から寄稿された警察と刑務所の活動について反対する論文やエッセーが編纂され、完成に長い年月をかけられた一冊だという。また寄稿に加えインフォグラフィックスを取り入れるなど、一般読者向けにわかり易い説明もなされているという。さらに表紙には、1960年代後半から1970年代にかけてアメリカで黒人民族主義運動・黒人解放闘争を展開していた急進的な政治組織ブラックパンサー党のメンバーであり革新的な芸術家として黒人への抑圧を表す作品を残したエモリー・ダグラスの印象的なアートワークを採用した。

キャパニックはTwitterで、「この本を編纂できたことを誇りに思うとともに、警察や刑務所のない世界、そしてそれを超える世界を求める声が高まることを願っている。読者はここですべての答えを見つけることはできないかもしれないが、有益かつ挑発的な疑問、我々のコミュニティが繁栄する未来のための、ラディカルな可能性を開く疑問を見つけることができると信じている」と述べている。

アメフト選手としてのキャパニックは、2016年に49ersを退団して以来無所属のまま。プレイヤーとしては膝つき行為により実質的にはNFLリーグからは追放されてしまった形となったが、人種差別行為、さらには警察の暴力や社会的不正への問題提起という側面においては大きなインパクトを残した。

その後キャパニックはNFLを提訴し、球団オーナーたちがキャパニックをリーグから締め出すために結託したと非難したが、2019年2月、NFLとは秘密裏に和解している。その後、キャパニックは「Know Your Rights Camp」という活動を立ち上げ、教育、自己啓発、抗議運動、また次世代の変革リーダーを育成する新しいシステムの構築といった活動を通じて、黒人系コミュニティの解放と幸福を前進させる活動に尽力している。今回の書籍も、その活動の一環として出版されるようだ。

TAGS