『ブレイキング・バッド』ウォルター・ホワイトの凶行 TOP5

ブライアン・クランストンが演じる一見平凡そうな化学の教師、ウォルター・ホワイトが癌宣告をされたことをキッカケに、家族にお金を残そうとメタンフェタミン(通称:メス)の密造・密売に手を染め、やがては<麻薬王>へとのし上がっていく姿を描いた人気ドラマ『ブレイキング・バッド』(2008年〜2013年)。“裏社会でのサクセスストーリー”において、実に様々な悪事に手を染めていくことになるが、彼が引き起こした代表的な凶行を振り返ってみよう。

ジェシーの彼女ジェーンを見殺し【シーズン2 エピソード12】

ウォルターの相棒、ジェシー・ピンクマン(アーロン・ポール)がこよなく愛するのが、重度のドラッグ中毒者であるジェーン・マーゴリス(クリステン・リッター)だ。もともとはジェシーの恋人ということもあって、ウォルターとの関係も問題ないと思われていた彼女であったが、ウォルターの“表の顔”と“裏の顔”の差に気付いた彼女は、やがて彼に対して「裏のビジネスをバラす」と脅迫するようになる。

ジェーンの存在を忌々しく思うようになったウォルターは、ある日、彼女がオーバードーズにより吐瀉物を喉に詰まらせて窒息死しそうになっている場面に出くわす。苦しみ、悶える彼女を前にウォルターがとった行動は華麗なるスルー。一瞬、躊躇する素振りを見せたものの、結局は彼女を見殺しにしてしまった。この事件をキッカケに彼の鬼畜ぶりが加速度的に増し、次々と凶行へと走ることになったことを思えば、助かる望みがありながらも命を落としたジェーンや、最愛の恋人を失ったジェシーだけでなく、ウォルターにとっても大きな意味を持つシーンだったといえるだろう。

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車椅子爆弾でガスをあの世へ送る【シーズン4 エピソード13】

シーズン2からキーパーソンとして登場する、グスタボ・“ガス”・フリング(ジャンカルロ・エスポジート)は、表向きはフライドチキン専門店やクリーニング店などを経営し成功している地元の名士でありながら、裏の顔はアメリカ南西部のドラッグ市場を握るマフィアのボスという人物だ。
ドラッグの製造はできるが販売手段に困っているウォルターと、絶えず良質のドラッグを必要としているガスは、互いの利害が一致していたことから共闘関係にあり、シーズン3までは暗殺者に狙われているウォルターをガスが守ったり、ガスがクリーニング工場の下に隠していたラボをウォルターに提供することを申し出たり、ビジネスパートナーとしては極めて良好な関係にあった。

しかし、シーズン3後半から徐々に雲行きが怪しくなると、ウォルターは自らの身の危険を感じてシーズン4でガスとの決別を決意。ウォルターはガスの宿敵ともいえるヘクター・“ティオ”・サラマンカ(マーク・マーゴリス)をそそのかし、結果、ガスはヘクターの車椅子に仕掛けられた爆弾であの世へと送られてしまった。身体の不自由な老人であるヘクターを巧みに操り、人間爆弾に仕立ててしまうあたり、ウォルターの人間性が垣間見られるところである。

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ジェシーを殺し屋たちに引き渡す【シーズン5 エピソード14】

もともとはウォルターの“表の顔”である教師の生徒であったジェシー・ピンクマンは、のちに麻薬ビジネスのパートナーとして彼の躍進を支えた功労者である。自分を可愛がってくれた叔母のジニーの看護を1人で行うなど心優しい一面を持ちつつも、劣等生であった彼は麻薬ビジネスに手を染めて生計を立てることとなってしまった。こうした彼のキャリアは、裏社会にツテのなかったウォルターにとって実に理想的なものであった。

そんな2人の前に立ちふさがったのが、宿敵・ジャック(マイケル・ボーウェン)。ジェシーを殺すために雇われていたジャックに対し、ウォルターはジェシーが車の下に隠れてやり過ごそうとしているのを平然と明かし、アッサリと彼を引き渡してしまう。これにはウォルターなりの考えがあったようで、【シーズン5 エピソード16】では、ジャック軍団との銃撃戦の際に、ジェシーが撃たれないように身を挺して守る姿も描かれてはいるが、下手をすれば即刻処刑となりかねない事態をあえて引き起こしてしまうところに、ウォルターの鬼畜ぶりが垣間見れるといえるだろう。

刑務所にいる証人10人を2分で消す【シーズン5 エピソード8】

そもそもは家族思いの心優しい教師であったにもかかわらず、裏稼業に手を染め始めてからは人殺しも厭わぬ狂人へと変貌していったウォルター。彼は裏社会での成功と引き換えに徐々に人としての良心を失い、目的のためには手段を選ばない人間となっていくが、そんな彼の人間性が垣間見れるのがこのエピソードだ。

彼にとって邪魔な存在となっていた獄中の証人たちを“消す”ことを思い立ったウォルターは、自身をリスペクトし刑務所内にツテを持つトッド・アルキスト(ジェシー・プレモンス)に指示して、彼らを同時に殺害するという信じ難い行動に出る。しかもその数は、たった2分の間に10人。彼自身が直接手を下したわけではないが、そのあまりにもドライで奇想天外な計画は、彼の合理的で冷血な思考を垣間見ることができるものであった。

子供に毒を盛る【シーズン4 エピソード12〜13、シーズン5 エピソード11】

ただの冴えない教師であったはずの男が<麻薬王>へと変貌していくこのドラマにおいて、主人公であるウォルターの凶行はストーリーが進むにつれて文字通り、際限のないものとなっていった。

ウォルターは自身の相棒でありながら、徐々に意見が食い違うようになったジェシーの交際相手であるアンドレア・カンティージョ(エミリー・リオス)の息子、ブロックにスズランの毒を与えることで病院送りにするという凶行に出ている。結果としてウォルターの“狙い”は成功することとなったが、このことは大切な相棒であるジェシーが可愛がっている8歳の少年さえも、目的達成のためには平気で毒を持ってしまうという、彼の常軌を逸した利己主義と合理主義が生み出す独特な鬼畜ぶりを如実にあらわすこととなった。

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『ブレイキング・バッド』の続編を描く映画『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』がNetflixにて独占配信中。

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