『ブレイキング・バッド』50回以上言った放送禁止用語

ドラマ『ブレイキング・バッド』シリーズ(2008年〜2013年)で、元教師のウォルター・ホワイトとともに麻薬ビジネスに手を染めていくジェシー・ピンクマンが口癖のように放つ「Bitch!(ビッチ!)」というワード。ジェシーはシリーズを通して54回も口にしているようだ。

日本に定着した“ビッチ”は口にするのもはばかるような意味を持ってしまっているが、英語圏での使われ方はそれだけではないようだ。ジェシーが主役となる後日譚、Netflixオリジナル映画『エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE』も公開され話題となる中、ジェシー役を演じたアーロン・ポールが“ビッチ”の変遷とジェシー自身の変化について語っている。

Netflix/YouTube

まず、アーロンが取り上げたのは、シーズン1エピソード2での“ビッチ”。「What up,biatch?」と「Psyco bitch wife」というセリフが登場し、どちらも相手を罵る意味合いで使っているが、アーロンはこう解説する。「このときはまだジェシーはカオスに足を踏み入れる一歩手前にいて、言い回しに彼のとまどいが現れている。“ビッチ”じゃなくて“ビアッチ”と言っているところには、彼の中にナイーブさがあったこと、そして悪事をはたらくことへの後ろめたさが残っていたことを示しているんだ」

シーズン2エピソード6からは、「Where’s my money,bitch」というセリフ。「このときもまだジェシーにはナイーブな部分が残っていた。だから彼の弱さを表現しようと思っていた。ビビリながら“ビッチ”と叫んでいるのはそういうこと。“ビッチ”は使い方や場面でいろんな意味があるんだ」

シーズン3の5〜7話からは、一呼吸置いてからの“ビッチ”をピックアップしている。「ジェシーのもう元には戻らない、という気持ちを表している。ジェシーの立場や見方の変化、反抗心なんかもここでわかると思う。“ファック・ユー”みたいに、相手に対して“ふざけるな”といった意味もある」

シーズン4エピソード7からは、「I made you my bitch」について次のように解説。「このシーンでの“ビッチ”のセリフはシリーズを通して最も難しかった。シーズン4ではジェシーは痛みに悶えていた。ここで“my bitch”と叫ぶことで、せめてその痛みの緩衝剤になればという思いで演じた。“ビッチ”という言葉はジェシーにとって、慰めの言葉でもあったから」

最後にシーズン5エピソード15。シリーズ最後の“ビッチ”は「Come on,bitch」。ジェシーが監獄から脱出しようとするシーンで使われている。「めちゃくちゃシュールな撮影だったんだ。絞り出すような声だけど、物理的にも精神的にも、現状から抜け出したいというジェシーの心の叫びを表現しようとした」

言い方ひとつでさまざまな意味を持つ“ビッチ”。ただし、日本で使う場合はくれぐれも気を付けていただきたい。

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