『ラ・ラ・ランド』チャゼル監督が手がける iPhoneを用いた“ヴァーティカル・シネマ”

『ラ・ラ・ランド』(2016年)でアカデミー賞監督賞を最年少受賞したデイミアン・チャゼル監督が、iPhone 11 Proのみを使用し撮影した“ヴァーティカル・シネマ”、すなわち縦型映像を駆使したApple社の広告を手掛け、同じくiPhoneで撮影された縦型のメイキング映像も公開された。

Apple/YouTube

近年では、ショーン・ベイカー監督が『タンジェリン』(2015年)を、スティーブン・ソダーバーグ監督が『Unsane』(2018年)を全編iPhoneで撮影。どちらの作品も劇場公開され話題となり、iPhoneで撮影した作品でもビッグスクリーンに耐えうるということを証明。現在のハリウッドでは、スマートフォンで作品を撮影することがちょっとしたブームになっているらしい。特に若い映像クリエイターたちは、日々こぞって手持ちの小さなテクノロジーでできることの限界をテストしているようだが、それでもやはり“縦型”フォーマットは彼らにとっては悩みの種であり続けているのだという。

では、デイミアン・チャゼル監督が手掛けた今回の縦型映像はどうだろうか? 『The Stunt Double』と名付けられたおよそ9分間の作品は、アクション、ロマンス、SF、西部劇など、様々なシーンが交錯する見ごたえある1本で、“縦型”のデメリットを感じさせないクオリティの高い仕上がりになっている。スマホで鑑賞すれば、手のひらの上で次々とストーリーが展開されていくような感覚があり、大きな画面で見るのとは少し違う臨場感を味わうこともできそうだ。

チャゼル監督はメイキング映像で、「(スクリーンの)左右を見渡すことに僕らは慣れてたと思うけど、縦型映像だと観客の視線を上下に動かすことを考えて作る。それが面白いところ」と語っている。縦型には縦型ならではの演出があるということのようだ。

Apple/YouTube

さて“ヴァーティカル・シネマ”はジャンルとして確立するか? そして本格的にハリウッドのトレンドを変えることになるか? 今後も注目だ。

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