スラム街からNBAの頂点へ “恐れを知らない男” アレン・アイバーソンの超絶プレー

“史上最低身長の得点王”アレン・アイバーソン。彼の持つ圧倒的なスピードと技術、強靭な精神力、そしてどこに行こうと誰が相手だろうと変わらないスタイル。1990年代後半〜2000年代はアメリカのみならず、世界中の多くのファンが彼に夢中だった。そんなアイバーソンのキャリアにおいて、印象的だったシーンをご紹介しよう。

ESPN/YouTube

アイバーソンと言えば「得点」。キャリアハイは、2005年2月12日の対オーランド・マジック戦での60ポイントだ。この日のアイバーソンは、試合開始から果敢にリングにアタック。得意のドリブルからのレイアップを皮切りに、どんどんと得点を積み重ねていく。また、スティールも5本を奪い、持ち前のスピードをいかんなく発揮。試合終盤でもまったくスピードの落ちないアイバーソンを、ファウルでしか止められないような状況だった。まさに、“NBAのスピードスター”という姿を見せつけた圧巻のゲームになった。

NBA/YouTube

そして、アイバーソンが最も輝いていたのは2000-01年シーズン。この年、所属するフィラデルフィア・76ersは、弱点だったインサイド補強のため身長218cmの“ビッグマン”ディケンベ・ムトンボを獲得。また、アイバーソン自身も、ぶつかり合うことの多かったラリー・ブラウンHCを恩師として慕うようになり、万全の状態でシーズンがスタートした。

開幕10連勝でスタートダッシュを切ると、その後も順調に勝ち続けイースタン・カンファレンスを1位で通過。アイバーソン自身は最大21点差をひっくり返したオールスターゲームのMVP、シーズン平均31.1ポイントで得点王、シーズンMVPの“三冠”を達成し、満を持してプレイオフに挑む。

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苦戦しながらもなんとかプレイオフを勝ち上がり、迎えたNBAファイナルの相手は、プレイオフを無敗で勝ち上がった“最強”ロサンゼルス・レイカーズだった。レイカーズはシャキール・オニールとコービー・ブライアントの2枚看板に加え、練習中の“仮想”アイバーソンとして抜擢され、アイバーソンの動きを完全コピーしたティロン・ルーなどのサポートメンバーが充実していた。圧倒的にレイカーズ有利とみられていたこのシリーズだったが、第1戦は意外な結末を迎える。

延長戦へともつれ込んだこの試合で、アイバーソンは大爆発。後半からルーに封じ込められていたものの、4Qで41得点。そして、延長戦ではルーのディフェンスにアジャストし、5分の延長で7得点を挙げた。特に残り時間50秒、右サイドでのルーとの1on1で、右ドライブからレッグスルーで後ろに下がり、フェイダウェイシュートをルーの上から沈めたプレイは圧巻だった。また、このプレイで転倒したルーを、アイバーソンが「どうだ!」と言わんばかりに跨いでいくシーンはあまりにも有名だ。

Santiago73/YouTube

第1戦こそ勝利したものの、力尽きた76ersはその後4連敗で敗退。惜しくもNBA優勝は逃してしまったが、この年のプレイオフでレイカーズに土をつけた唯一のチームとなった。「大事なのは体の大きさじゃない、ハートの大きさなんだ」という言葉をそのままプレイで示したアイバーソンは、世界中の小柄なプレイヤーに勇気を与えた偉大な選手だ。

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