病院と飛行機を爆破し、戦闘機を飛ばす CGを嫌いフィルムを愛するノーラン監督

クリストファー・ノーラン監督による最新SF映画『TENET テネット』が、9月18日に日本公開される。

ワーナー ブラザース 公式チャンネル/YouTube

1970年イギリス生まれのノーラン監督は「ネットのせいでみんな本を読まなくなった」とし、ネット嫌いを公言。フィルムを愛し、CGなどの技術に頼ることを嫌い、大掛かりなセットを組むことでも知られる“アナログ”なフィルムメーカーである。そして“時間”の描き方に特別なこだわりがあり、映画の中で“時間を操作”しては観る人にも大きな衝撃を与えてきた。

新作『TENET テネット』を観る前に、ノーラン監督が手掛けてきた長編作品をおさらいしてみよう。

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『ダークナイト』(2008年)

ノーラン監督自身のキャリアをさらに高みに押し上げるきっかけとなった作品。それまでに培ってきたスピード感溢れる編集技術を駆使することにより、152分という長い上映時間にもかかわらず、終始高い緊張感で観客を惹き付ける作品に仕上げた。なお通常のヒーロー映画とは比較にならないほどCGの使用が控えられ、ハイライトの1つともいわれる病院の爆破シーンをはじめとする、多くのシーンが実写で撮影されている。
余談ではあるが、ジョーカーを演じたヒース・レジャーにとっての代表作。この作品での演技が評価され、死後とはなってしまったが若干28歳という若さでアカデミー助演男優賞を受賞した。

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『インセプション』(2010年)

2010年、既にヒットメーカーとなっていたノーラン監督が、レオナルド・ディカプリオを主演に迎え挑んだ意欲作。「他人の夢の中に入り込み、アイデアを盗む」という奇抜な設定で、高難度なパズル要素をはらむノーラン作品の中でも複雑さを極める作品。
時間描写においてはさらに精巧さを極め、スローモーションを巧みに利用し観客の心理を刺激し続ける。映像面においてもノーラン監督の奇抜さが際立つ作品で、街や建物がせり上がるダイナミックな映像や、無重力空間の描写、雪山でのアクションシーンなどは強烈なインパクトを残している。

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『ダークナイト ライジング』(2012年)

『バットマン ビギンズ』『ダークナイト』に続く「ダークナイト・トリロジー(3部作)」の最終章。
他の作品のように“時間”をギミックとして使った作品ではなかったものの、3部作の完結編と呼ぶにふさわしい、165分という大長編を圧倒的なスケールと壮絶なストーリーで展開。プロローグに始まり主要なアクションシーンではすべてIMAXカメラが使われ、より臨場感たっぷりの映像を演出してみせた。

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『インターステラー』(2014年)

3次元、4次元、5次元という概念、時間、空間、重力という壮大なテーマを実写主義で挑んだ作品。飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男の姿を描き、“時間”の力、人類にとって“時間”が持つ影響力とは何かを問いかけた。壮大な宇宙を舞台にしながらも、ノーラン監督はこの作品においても極力CGを使用せず、リアルな表現にこだわりを持って完成させた。

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『ダンケルク』(2017年)

実話を元に映画化。ヒトラーによりドーバー海峡に面した港町“ダンケルク”に追い込まれた英仏連合軍の兵士40万人を無事に撤退させる、「生き残り」をかけた救出劇をテーマに扱った作品である。
ノーラン監督自身は「時間との戦いを描くサスペンス。生き残ろうとする人々を描くスリラー」と表現する作品で、時間軸の操作により全体の経過時間を、陸・海・空3つの異なる視点から展開しながらも、同時に1つのストーリーとして進んでいくという斬新な手法が取られている。

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