「永遠にファミリーの一員」 NBAが交通事故で亡くなった選手をドラフト指名

コロナ禍による変則スケジュールにより7月20日まで続いた2020-21シーズン。そして、その9日後の現地時間29日には、早くも来季の運命を担う2021NBAドラフトが行われた。

デトロイト・ピストンズが全体1位指名でケイト・カニングハムを指名すると、ヒューストン・ロケッツが2位でジェイレン・グリーン、キャバリアーズが3位でエバン・モーブリーを指名。ほぼほぼ「NBA Mock Draft(事前ドラフト予想)」通りの選手たちの名前が挙がった。

その後は波乱もありつつ次々と選手たちが指名され、選ばれた選手達が喜びの顔を見せていく。そして、15位のワシントン・ウィザーズの指名順のとき、NBAコミッショナーのアダム・シルバーはこの夜に特別なドラフト指名があることを告げた。

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なんと“NBA”として一人の選手を指名するという。それがケンタッキー大学のテレンス・クラークさんだ。実はこの選手、今ドラフトにアーリーエントリーする予定であったが、エージェント契約を交わした翌日に交通事故で命を落としてしまった人物だった。

「ご家族のみなさん、クラークを尊敬されるすべての方々、彼が永遠にNBAファミリーの一員だということを是非知っておいてください」

壇上にクラークさんの母親と妹、弟を呼び寄せたシルバーは、このように彼を称えたのであった。

クラークさんは、“エリート街道”を歩んできた将来有望な選手だった。高校時代にはマクドナルド・オールアメリカンやジョーダンブランドクラシック、CP3キャンプに選出され、様々な大学からオファーがあった。そして、ケンタッキー大に進学し一年生ながら平均9.6ポイントを挙げ主力として活躍した。

この出来事に対し、NBA以外にも縁のある団体や人物からのお祝いのメッセージも届いた。ボストン・セルティックスは、「クラークがボストンを代表する選手であることを誇りに思うと同時に、彼は永遠にNBAファミリーの一員だ」とツイート。

また、NBAでのHC歴をもつケンタッキー大の“恩師”にして名将のジョン・カリパリ監督からは、「今夜はテレンスにとっても素晴らしい夜になったことをみなさんに伝えたい。自分の名前を呼ばれた瞬間の彼の笑顔がどれだけのものだったか、私には想像することしかできません。しかし、テレンスはチームメイトたちを見守りながら、『リラックスして、この瞬間を楽しめ』と言っているように感じました。彼はそういう人でした」という温かいメッセージが届いた。

惜しくも失われてしまった若き才能に対し、メモリアルなイベントで敬意を表したNBA。団体としてバスケットボールに対する強い想いが感じられる出来事であった。

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